いたちごっこはいつまで続く?

とある金曜の午前中、安藤ち所有の二台の自転車のうち、大型重装備の子乗せ自
 転車が広島市によって撤去された。妻が仕事に立ち寄った先で、ほんの小一時間
 のうちにやられたらしい。なにしろ安藤ちは日常の移動の97%以上を自転車に
 依存している。自転車がないと、たちまち日常生活に重大な支障をきたす。

 どのくらい自転車に依存しているかというと、駐車場に車を取りに行くのにも自
 転車を使う程である。もっとも、これは敷地が数万坪あって屋敷から駐車場まで、
 そのくらい離れているというわけでは、もちろんない。安藤ちの極近隣の駐車場
 代の相場が月3万円超!なので、負担に耐えられそうな、その半額くらいの駐車
 場を探すと、歩いて行くのにはちょっとしんどい距離となったという、まことに
 アホらしい経緯による(近頃は本気で車を手放すことを検討中である)。

 なにしろ子乗せ自転車がないと、子供を預ける先にタクシーで往復という、経済
 的にも精神的にも極めて悪い状況となる。精神的にタクシーが負担、というのは、
 いつか「トラウマタクシー」で書いたとおりである。

 あいにく、翌土曜日も妻の仕事が入っており、安藤が子供を連れて自転車を引き
 取りに行くことになった。安藤ちの小型乗用車に大型重装備の子乗せ自転車を乗
 せて帰るのは不可能なので、公共交通機関を利用して行くしかない。昼過ぎに仕
 事を終え、南区役所近くに子供を迎えに行き、そこから扇町(どこやそれ?って
 感じだが商工センターの奥の奥なのだ)の自転車保管所へのルートを考えた。広
 電比治山下経由の路面電車で広島駅方面にむかい、的場で宮島線に乗りかえて、
 草津南で下車後、そしてタクシーで、というのが一番妥当だったろう。

 が、久しぶりにバスに乗りたい気分だったので、ちょっと冒険してみた。南区役
 所前から横川行きに乗り、市役所で広島西飛行場行きに乗りかえ、南観音の陸運
 支局前で庚午自動車学校入口を経由する便に乗りかえる、という案である。陸運
 支局前まではうまくいった。そこから先が大失敗。庚午方面に向かうバスの便数
 が極端に少ない。タクシーをひろうにも流しの空車がいない。うだるような残暑
 の午後、昼寝から覚めたばかりでいっこうに歩こうとしない三歳前の子供を抱い
 てトボトボ歩く。車であれば、アッという間の、庚午橋から太田川河口沿いを通
 り、扇町まで、たっぷり一時間半近くは歩いただろうか。

 こんな不便なところに保管所をつくりやがって、そのうえ、二千百円という法外
 な撤去保管料(原チャリだとその倍!)をとりやがって、と毒づきたくなったが、
 それは市のルールに反した安藤に課せられたペナルティー。怒るのは道理に反す
 る。無事、自転車を返還していただき、商工センター奥の奥から、広島駅近くま
 で、夕刻のツーリング。総計四時間半。子供と遠足みたいで楽しかったかな?

 一方、広島市は、駐輪対策を強化しているらしく、市職員による駐輪指導員の外
 にも、警備会社に委託してより多くの駐輪指導員(それだけ多くの税金を使って)
 を配置している。ただ、オマヌケなのは、例えば、八丁堀福屋角の交差点から百
 メーター道路の方にある次の信号までのほんの百五十メーターの間に四人!も配
 置したりする。その四人が等間隔で立っているのは苦笑するしかない。

 あるいは、炎天下の並木通りの木陰で談笑しながら涼むオバサン駐輪指導員の二
 人組(なぜ二人組なのだ?一人一人で動き回った方が効率的だろう)はホンの二
 十メーター先の路上駐輪でさえ、木陰を出て注意しに行こうとしない。見て見ぬ
 振り、実にダラけた態度である。駐輪対策にかける予算(税金)は年々増えなが
 ら効果はあまりあがっていないようにみえる。

 あ、いや、広島市の駐輪対策の無能ぶり愚策ぶりをあれこれ言うよりも、市の定
 めたルールに反して、自転車を路上に放置した安藤の妻を諫めるのが先であった。


 安藤トロワー@会社勤めをしながら家事もこなす兼業主夫(ああ忙しい)