お好み焼きサミットに安藤も便乗(前編)

広島ガイドメールマガジンの主宰者のかつおさんは近頃やたらとお好み焼きにこ
 だわっているみたいで、「お好み焼きサミット」なるものを頻繁に開催し、その
 様子をメールマガジン増刊として配信したりします。なんでいまごろお好み焼
 き?という気がしないでもないのですが、かつおさんの胸の内は安藤にはわかり
 ません。
 さて、安藤もかつおさんにつられて、お好み焼きの話題を一つ。以前、安藤が自
 分の日記サイトに書いたものを取りまとめてみました。ご賞味下さいませ。
 ちょっと長くなりますので、今月号と来月号の二回にわけて掲載いたします。
 さて、お好み焼きが焼き上がったときの印象についていえば、大きく二つに分け
 ることが出来ます。

   1.几帳面に焼かれたお好み焼き
   2.おおざっぱに焼かれたお好み焼き

 また、一口食べたときの印象からいえば、このように二つに分けることも出来ます。

   a.しっとりと焼きあがったお好み焼き
   b.ドライに焼きあがったお好み焼き

 この二つの視点からだけでも、次のような四つの分類が出来ます。
   ◎しっとりと、几帳面に焼かれたお好み焼き
   ◎しっとりと、おおざっぱに焼かれたお好み焼き
   ◎ドライに、几帳面に焼かれたお好み焼き
   ◎ドライに、おおざっぱに焼かれたお好み焼き

 ほぼ全てのお好み焼きは、この4つの分類のいずれかに入ると思います。あなた
 のお気に入りのお店のお好み焼きを思い浮かべて下さい。4つのうち、どれに一
 番近いですか?
 几帳面に焼いたからといって、おいしいとは限らないし、おおざっぱに焼いても
 おいしいものもある。これはあくまで出来上がりの印象であり、意図的におお
 ざっぱに焼いた場合もありますし、一見几帳面にみえる焼き上がりが、ただ単に
 結果としてそうなっただけという可能性もあるからです。しっとりと焼かれたお
 好み焼きが極めて不味いという事もあり得るでしょうし、ドライに焼かれたお好
 み焼きがとてつもなくうまいという可能性もあります。これは、材料の特性や使
 用量、鉄板の温度等にも関係する問題です。
 馴染みの店だけでなく、どんな店でも、お好み焼きを食べるときは、この4つの
 分類のうち、どれにはいるか観察してみましょう。そして、4つの分類とおいし
 さの関係についてあなた自身の経験則を積み重ねましょう。

 ◎ 「几帳面」と「おおざっぱ」について
 焼きあがって、お客の前に差し出された、お好み焼きを見ると、几帳面にまと
 まっているなぁとか、雑な焼き上がりだなとか、見て取ることができます。ある
 いは、焼いている過程を観察していても、ひっくり返したとき、キャベツがばぁ
 〜っと散らばって、「なんて雑な焼き方なんでしょ」とか思ったりしますよね。

 よくある「おおざっぱ」な事例として、たまごをちゃんとひろげず、割った上に
 いきなりお好み焼きをのっけるため、たまごが偏ってしまい、出来上がりを見る
 と、たまごは半分くらいを覆うだけで、あとは、そばが露出しているなんてこと
 があります。

 出来上がりの見栄えを左右する要因として、焼く人の性格が反映される場合は多
 いように思います。お好み焼きを焼くという作業を繰り返す場合、几帳面な人は
 その作業も几帳面であり、おおざっぱな人は、その作業もおおざっぱである、と
 いうことです。

 ところが、それだけではありません。焼く人は、几帳面なんだけど、結果として
 おおざっぱに見えるという場合もあります。例えば、野菜など、具材の量が多い
 場合。多いほど、コントロールが難しくなり、前述のように、ひっくり返したと
 き、キャベツがばぁ〜っと散らばって、一見おおざっぱそうに見えます。

 また、最初にひく土台(というのでしょうか?)が、小さめの場合、野菜の量が
 普通でも、土台自体がちいさいので、そこから野菜がはみ出し気味になり、一見
 おおざっぱそうに見えます。逆におおざっぱな人が焼いても、具材をけちったり
 すると(高値の時のキャベツとかね)、そこそこうまくまとまるので、一見、几
 帳面な人が焼いたかのように見えることもあります。

 ここで、本文の意図を明らかにしておこうと思います。お好み焼きは4つのタイ
 プにわけることができるのですが、なぜ、ほぼ同じ材料をほぼ同じ量使いなが
 ら、どうして、4つにわかれてしまうのか。その原因を明らかにしながら、経験
 則として、どのタイプがおいしいお好み焼きかを論じてみたいのです。

 さて、几帳面とおおざっぱに話を戻します。安藤の経験からすると、几帳面な人
 が焼いたお好み焼きのほうが、おおざっぱな人が焼いたものより、おいしいで
 す。これは、お好み焼きに限らず、飲食業全般に通じる傾向じゃないかと思いま
 す。職業人として、自分の仕事を几帳面に誠実にこなす、こういう人のほうが出
 来がよいのは当然のことでしょう。

 ところで、焼き上がった様子が、おおざっぱに見える場合、ホンマにおおざっぱ
 に焼いたからそうなのよ、という場合と、先ほど申しましたように、さまざまな
 要因から、結果としておおざっぱに見えるという場合もあるのです。これは、作
 る過程などを観察していれば、ある程度判断できます。出来上がりがおおざっぱ
 にみえても、几帳面な人が焼いた場合は、味も個性的で、おいしいことが多い。

 同様に、焼き上がった様子が、几帳面に見える場合、ホンマに几帳面に焼いたか
 らそうなのよ、という場合と、先ほど申しましたような結果として几帳面に見え
 るという場合があるのです。これも、作る過程などを観察していれば、ある程度
 判断できます。几帳面にみえても、おおざっぱな人が焼いたばあいは、味は没個
 性的で、はっきりいってまずいことが多い。

 ある店で作る過程を見ておりますと、スーパーで売ってる、もやしの小袋をびり
 びりと破り、水洗いもせずそのままのっけるという、信じられないような出来事
 に遭遇したことがあります。これぞ、おおざっぱの極地。おおざっぱな人がおお
 ざっぱに焼く。もちろんこんな店、おいしいわけがありません。

 このように、お好み焼きができあがっていく過程というのは大変重要なので、
 しっかりと見ておかなくてはなりません。数百回通っているような馴染みの店な
 らいざしらず、初めての店の時は、マンガなど読んでいてはいけません。しっか
 りと見て、店の特性を把握しましょう。

 さて、ここまでの安藤の経験則を取りまとめますと。

 ○几帳面な人が几帳面に焼いた→おいしい場合が多いが、没個性的な場合もある。
 ○おおざっぱな人が焼いたものが一見几帳面にみえる→よくて凡庸、あるいはお
  いしくないことがほとんど。
 ○几帳面な人が焼いたものが一見おおざっぱにみえる→個性的な味でおいしい事
  もある。
 ○おおざっぱな人がおおざっぱに焼いた→ほとんどの場合おいしくないが、時と
  して、とてつもなくおいしいこともあり得るから困りもの。

 次号は、「しっとり」と「ドライ」という点からお話しを続けたいと思います。


 安藤トロワー@兼業主夫(本業主夫、副業会社員)