お好み焼きサミットに安藤も便乗(後編)

前号では、お好み焼きの焼き上がったときの印象について、「几帳面」と「おお
 ざっぱ」という点から安藤の経験則をお話しさせていただきました。今月号で
 は、一口食べたときの印象、「しっとり」と「ドライ」という点から、お話しを
 再開いたします。

◎ 「しっとり」と「ドライ」について

 さて、「しっとり」と「ドライ」についてです。ま、皮はパリっとドライで中は
 しっとりジューシーなんてこともありますけど、話しが複雑になるので、全体の
 印象としての、「しっとり」と「ドライ」ですね。

 まず、「しっとり」のほうですが、よい場合は、ジューシー、悪い場合はベタベ
 タしたというような表現になるでしょうか。これについては、主に野菜の量及び
 種類と鉄板の温度によるものではないかと思います。お好み焼きってのは、ふた
 をして野菜を蒸し焼きにするようなものですよね。

 よい場合。ジューシーというべき状態ですが、細く切った大量のキャベツを使
 い、高温の鉄板で素早く焼き上げた時、キャベツのあまみがうまくでて、このよ
 うになると思います。逆に、悪い場合。低温の鉄板でグズグズ焼くとベタッとし
 た感じ、あるいは、(高いときはべらぼうに高い)キャベツをけちって、モヤシ
 をたくさん入れてカサをごまかそうとした時、これもまたベタッとした感じにな
 ります。

 鉄板の温度ですが、安藤はシロウトなので、推測でしかありませんが、高温の方
 が、早くおいしく焼けるような気がします。安藤のフライパンの使用経験から申
 しますと、高温で使うほど、傷みが早く、焦げや汚れの手入れが大変。また、調
 理時間が短時間になるため、目を離すことができない。観光客相手の大型店で、
 一人が一度に十枚以上焼いているの見たことがありますが、こういう店は、鉄板
 の温度が比較的低いはずです。安藤お気に入りの店では、最大6枚しか焼けませ
 んが、普段は4枚同時しかやりません。6枚並列処理をやると、焦げちゃうから
 です。大量処理=鉄板の温度が低い=あまりおいしくない、と思うのですが、ど
 うでしょう。もう一点、焼く部分の温度が低いと、食べる位置の鉄板はさらに温
 度が低い。下手すると、手でふれられるくらいの店もあります。これは、実にま
 ずいことです。せっかく鉄板で食べているのに、食べる端からひえていくんです
 もの。ま、鉄板の温度についていえば、高いほどいいというものではないでしょ
 うけど、低めより高めの方がおいしいはず。

 さて、「ドライ」のほう。これは、結構難しい問題なんです。よい場合は、パリ
 パリ、悪い場合はカラカラというような表現になるでしょうか。悪い場合から言
 うと、キャベツがざくぎりですと、水分は出にくいですから、乾いた感じにでき
 あがると思います。また、野菜(キャベツ、モヤシ)の量が少ないと乾いた感じ
 にできあがります。

 なぜ難しいかというと、「ドライ」の区分は概しておいしくないのですが、時と
 して、「ん!」っていうくらいおいしいのに当たることがあるんです。よい場合
 というのに、ホント、イレギュラーヒットみたいにぶち当たるんです。

○ジューシーなお好み焼き「しっとり」のよい場合
 おいしい場合が多い。多くの場合、鉄板は高温です。
○ベタベタしたお好み焼き「しっとり」の悪い場合
 まずい。多くの場合、鉄板の温度は低い。
○ドライな焼きあがりのお好み焼き。
 概して不味いが、時として相当おいしいのに当たるから困りもの。

 というわけで、「几帳面」「おおざっぱ」そして「しっとり」「ドライ」の四つ
 のパートについて、特徴を説明したわけですが、こんどはいよいよ、その組み合
 わせと言うことになります。

 「几帳面」で「しっとり(ジューシー)」・・・これは、おいしい確率がかなり
 高い。良い店にあたったねって感じだと思います。キャベツをふんだんに使い、
 高めの温度設定の鉄板できちんと念入りに焼いている。キャベツの甘みも十分に
 出ているだろうし、不味いはずがありません。このタイプで不味い場合っての
 は、まれだと思うんですけど、原因としましては、「しっとり(ベタベタ)」で
 しょう。性格的に几帳面な人が、低めの温度設定の鉄板で、モヤシをたくさん入
 れて焼いたときですね。モヤシはやすいので、かさを増やすのにいいんですが、
 大量につかうと、水っぽくなってマズイのです。

 「おおざっぱ」で「しっとり(ジューシー)」・・・これは、おいしい確率が
 「几帳面」で「しっとり(ジューシー)」に比べると、いくぶん下がると思いま
 す。ただ、性格的に「几帳面」な人が焼いた結果として、一見「おおざっぱ」な
 出来上がりで、かつ、「しっとり(ジューシー)」という場合は、時として、と
 てつもなくおいしい場合があるのです。これに当たると、「う〜〜ん」とうなる
 ほどおいしいのですねぇ。

 あ、そうそう、こういう具体例があります。安藤のお気に入りに店は、やや「お
 おざっぱ」でやや「しっとり」というお店なのです。もちろん、安藤お気に入り
 の店だからして、おいしいよ。ところがある時、その店で、「そば肉玉野菜W」
 というのを注文している人がいたのです。要するに、野菜を倍量入れて焼いて下
 さいってことね。安藤、「ふ〜ん、そういう方法もあるのか」って感じで、次回
 をそれをやってみたのね。すると、野菜が多いから、コントロールが悪くなり、
 やや「おおざっぱ」がかなり「おおざっぱ」になり、野菜の量といつもの焼き加
 減と鉄板の温度がうまくマッチしなかったせいか、やや「しっとり(ジュー
 シー)」がかなり「しっとり(ベタベタ)」という出来になりまして、水っぽく
 て、もう二度と頼まないぞと思ったのですね。そばやうどんのWは出来上がりに
 あまり影響を与えないけど、野菜の量はずいぶん重要な要素なんだという実例で
 す。

 「几帳面」で「ドライ」・・・一般的に申しまして、可もなく不可もなく・・・
 これにつきると思います。標準的な手法で、とりたてて素材をふんだんに使うわ
 けでもなし。ま、同じ金額払うのでしたら、避けたいですね。・・・ところが、
 時としてですね、パリパリカリカリの食感とうまみがうまい具合にマッチした拾
 いもの、というか、相当においしい場合もあるから、お好み焼きって、ホンマ食
 べてみないとわかんないのでございます。

 「おおざっぱ」で「ドライ」・・・この区分につきましては、安藤自身としまし
 ては、いい目にあったことがありません。エエカゲンナ人が材料をけちって作る
 と、こんな風になるのですね。おいしいはずがない。

 さて、あなたのお気に入りのお店はどのタイプ?


 安藤トロワー@兼業主夫(本業主夫、副業会社員)