迷ってみましょう広島33

   このコーナーは、積極的に道に迷うコーナーです。

迷ってみましょう広島33

 まず、お詫びをさせてください。
前回、安佐北区可部とすべき箇所を、安佐南区可部と誤っておりました。
大変申し訳ありませんでした。
「間違ってますよ」と、何名かの方からメールをいただきました。
ご指摘ありがとうございました。
地名の間違いや内容の誤り、また、記事に関連する情報など、お気づきの点が
ございましたら是非お知らせください。どうかよろしくお願いいたします。

 今回は、加計へ行ってきました。
平成の大合併で加計町・戸河内町・筒賀村が合併して安芸太田町という町にな
ってますが、ぼくは今でも「加計」とか「戸河内」とか「筒賀」と言ってもら
った方が、ああ、あのあたりかと場所がイメージしやすいです。

 その加計へ、どうやって行くか。自家用車は面白くないでしょ〜、運転して
たら景色は見られんし、駐車場は探さにゃならんし。でも、可部線の可部−三
段峡間が廃止になったんで鉄道は無いし。やっぱバスですか。バスですよ。バ
ス苦手なんだよな〜。そもそも加計まで行くようなバスなんかあるんでしょう
か。
 と言うことで、出かける前日に広島バスセンターまで行きまして、案内所で
かくかくしかじか訪ねましたところ、三段峡行きのバスの時刻表をくれました。
ほほう、三段峡行きのバスって結構たくさん走ってるんですね。あ、でも、全
部が加計を経由するわけじゃないみたいです。明日は帰りのバスを気にしなが
ら歩かなきゃいかんなぁ。

 さて翌日の日曜日。
バスセンター9時30分。加計までの料金は930円。休日の朝だからか、バ
スはがらがら。ドアが閉まると、バスは静かに走り始めました。
 横川駅前から国道54号線を北へ。追い越し車線をどんどん車が追い抜いて
いく中、バスはあくまでマイペースです。山陽自動車道の広島インターを過ぎ、
可部の市街地を抜け、国道191号線分かれで左折。じわじわっと坂道を上っ
てトンネルを抜け、ぐぐっと下ったところが飯室交差点。昔ここに丸い建物が
ありましたね。その飯室交差点を左折して安佐動物園方向へ。この道が太田川
とぶつかるところには可部線の踏切がありましたが、今はもう線路も撤去され
てただの道になっています。
 気が付けば、もうずいぶん日差しが強くなっています。時計を見ると、出発
してから1時間が過ぎていました。バスは先ほどから、太田川に沿って走って
います。木々の間に眼下の青い流れが見え隠れしていたかと思うと、ぱっと視
界が開けて、広い河原の草が風にゆったりと揺られているのが見えたりします。
 川の中から川底の石がたくさん頭をのぞかせている所では、細かい波に光が
反射して、川が銀色に見えます。かつての太田川は今よりもずっと水量が多く、
可部から加計まで帆掛け船が上っていたそうですが、今では到底考えられない
話です。

 なんだか家がふえてきたなと思ったら、そこが加計でした。
加計に着いたらまず最初に、有名な鯛焼きやさんの場所を確認しようと思って
いたのですが、加計中央というバス停で下りたら、目の前にその鯛焼きやさん
がありました。
 おみやげを買う場所は確認できたので、次はガイドマップか何かを手に入れ
なくては。旧加計駅があったあたりに何か無いかなと思いつつ角を曲がります。
道ばたの側溝にさらさらと流れる水がとても透明で、魚でも住んでいそうなぐ
らいです。

 旧加計駅はすぐに見つかりました。なにやら工事中です。駅のホームが一部
だけオブジェのように残されていて、後は更地になってます。どうも駐車場か
公園にでもなりそうな雰囲気です。そのすぐ横にえらく新しい建物がありまし
て、どうも道の駅の様な外観、入り口に「かけはし」と書いてあります。入っ
てみましょう。

 中に入るとパンフレット類がたくさん並べてあるコーナー、物産品のコーナ
ー、自販機のコーナーとあって、これはまさに道の駅。パンフレットを眺めて
いると、ありましたありました、観光マップがありました。早速地図を手に外
へ出ようかと思ったら、レジの所に「太田川探訪」という冊子を売っているの
に気づきました。300円。ちょっと気になったのでパラパラッとめくってみ
て、買うことにしました。どうもこの手の本に弱いですね、僕は。

 工事中の看板の脇を歩いていくと、すぐに川にぶつかりました。マップを見
ると近くに「水車」と書いてあります。水車があるのかな?いや、その水車の
すぐ横に書いてある「船着き場跡」の方が気になるな。見に行ってみましょう。
 川に沿って歩きますと、やがて道は川を離れ、集落の方へと延びています。
道なりに集落の中へ入っていきますと、少し大きな通りに出たので、ずっと遠
くまで見通してみました。今では使われていない家も多いのでしょうか、通り
の家々がまるで何かの順番でも待っているかのように、静かに静かに並んでい
ました。かつてはここを、たくさんの人が歩いていたのでしょうね。
 船着き場の跡は、伸び始めた夏草とともに川縁にありました。その一角だけ
やたら精密に組み上げられた石垣が、今はもう使われないその場所がいかに重
要な場所であったのかを物語っていました。

 川を離れて山の手に上ってみました。マップに「長尾神社」とあるので、ど
のくらい離れてるのかなと思いながら歩いてみたら、船着き場跡からほんの数
分の場所にありました。どうも加計という町は、そんなに大きくないようです
ね。
 その長尾神社、境内にものすごくでっかい銀杏の木がありました。どのくら
いの樹齢なんでしょうか。それから、この神社では毎年神楽が奉納されている
と解説板にありました。良いですね、神楽。地域に根付いた文化というのは、
大切にしてもらいたいです。

 マップを見るともう一つ神社がありますね。着天神社と書いてあります。変
わった名前ですね。どういう由来があるのでしょうか。行ってみましょう。

 狭い道を通り、常禅寺を抜け、無料駐車場脇のレトロな建物をしげしげと見
上げておりますと、小高い場所に建物が見えました。あ、あれが神社ですね。
石段があったので、何も考えず上ります。一段ごとに、加計の町並みと太田川、
町を囲む急峻な山々が広く視界に入ってきます。なるほど、この町は川と山の
出会う場所にあるんだな、と納得しながら上っておりましたところ、なにやら
上の方からぼそぼそ、ぼそぼそと、人の声が聞こえてきました。誰か居るのか
な、と思い振り返って見上げますと、高校生らしい制服姿の男女が見えました。
拝殿の上り口に腰掛けて、下から見上げるおっさんにも気づかず、遠くを眺め
ながら楽しげに話をしています。
 ややっ。これはデートですな。こんな昼間っから。いかんなぁ若い男女が。
おじさんとっても困ります。だって神社が見られんじゃないの。まぁでも、熱
い愛の語らいを邪魔してまで神社が見たいわけじゃなし、それにそんなことや
ってたら馬に蹴られてしまいますわ。名前の由来が分からなくても気にしない
ことにします。
 それにしても神社で逢い引きなんざぁ、微笑ましいじゃないですか。なんか
ええものを見たような、はたまた見てはいかんものを見てしまったような、な
んか複雑な気持ちでそのまま石段を下りました。

 昼ご飯は旧加計駅近くの「若葉」というお店で、ヤマメ定食を食べました。
ヤマメの塩焼きうまかったです。町を巡る時に他のお店も探したんですが、ガ
イドマップに載っていた店は多くがすでに閉店されておりました。残念です。
 それからおみやげには「ヨコタ」さんにて鮎最中を購入。なかなかリアルな
鮎の形をしたちょっと長めの最中で、中のあんこは白あんです。ぱくっと食べ
ると中身が白いので、本当に鮎を食べているようで大変面白いです。
 それから、「よしお」さんで鯛焼き。豪快に枠からはみ出た皮がカリカリに
焼けていて、しかもあんこはぎっしり、大変食べ応えのある鯛焼きです。これ
で1個105円とは安い安い!5つも買ってしまいました。

 それから「盛文堂」さんで「あの日の可部線」という写真集と「安芸高田・
山県今昔写真帖」というでっかい本を購入。どちらも限定出版されたものらし
く、残りわずかのようです。どうもね、本や資料を見るのが好きなもんでして
ね、見たら買ってしまうんですよ。

 帰りのバスは時間の関係で可部行きに乗りました。ゆらりゆらりと揺られて
いる内に眠くなって、気が付いたらもう可部駅前でした。そこから乗り換えて
バスセンターへ。到着したのは17時半ぐらいだったかな。バスで出かけるの
もなかなか楽しいですね。バスがちょっと好きになりましたよ。今度はバスカ
ード買って出かけよっと。

鯛焼屋 よしお http://taiyakiya.com
加計町商工会 http://www.akioota.net/

「太田川探訪」 ひろしま生涯教育研究所 300円
「あの日の可部線 永久保存版写真集」 1000円
「安芸高田・山県今昔写真帖」 郷土出版社 11550円

                             by 自転車