ひさし

 広島市中区流川町3-6 TEL:082-243-2267 18:00-5:00 無休

  鍋焼ラーメン750円、チャーシュウ麺850円、ネギラーメン850円、
  高菜ラーメン850円、キムチラーメン850円、ミニラーメン(女性限定)400円、
  替玉+100円、替ごはん+100円、冷しラーメン650円、つけ麺(温)750円、
  山賊焼(鶏もも焼・タレor塩)400円、もやしチャーシュウ350円、キムチ200円、
  高菜ご飯200円、ビール(中)450円

     ひさし

 広島市内では珍しい鍋焼ラーメンを出す店だ。しばらく前に高知県の須崎で、最後
 のご当地ラーメンとして注目を浴びたので、そこで修業したのかと思ったら、そう
 いうわけではないようだ。元々、観音地区で「ひさし」というラーメン店を営んで
 おり、移転オープンしたものらしい。
 
 僕はシンプルな鍋焼ラーメンをお願いした。鍋は土鍋ではなく、鍋焼うどんに使わ
 れる鉄鍋を使用している。鍋に取り分けたスープを火にかけ、ぐつぐつ沸騰してい
 るところへ、別に茹でた麺を加え、具を盛り付ける。そして、熱々の状態で客の目
 の前に置かれるという寸法だ。鍋が置かれる前には、敷板と青ネギが入った取り皿
 と木杓子を用意してくれる。スープは鶏ガラベースなのか、澄んでやや濃い目の琥
 珀色。ほうじ茶の色合いに近いくらいか。表面には全体を覆わない程度に油が浮く。
 どちらかといえば油脂やゼラチンが少ない軽めのスープだ。味的には醤油の風味も
 あるけれど、やや甘めの味付けが感じられる。僕は基本的に甘さの強い味付けが好
 みではないが、この店のスープは比較的抵抗なく食べることができた。鍋焼うどん
 がそうであるように、鍋焼スタイルにすると、やや甘めの味付けが合うのだろうか。
 なぜ、そう感じるのかは分析できなかった。
 
 麺は縮れた多加水麺で、かなり硬めに茹でてある。すぐに麺を食べようとすると、
 あまりの硬さに驚いたくらいだ。しかし、ゆっくり食べているとだんだん丁度良い
 茹で具合に落ち着いた。最初から適切な茹で加減だと、あっという間に茹で過ぎに
 なるから、これはこれで適切な加減だと思う。いくらか茹って、スープと馴染んで
 くれば、相性も悪くないように感じられた。とはいえ、スープが熱いので、その熱
 さで無理矢理合わせてしまうという部分がなきしも非ずだ。具は非常にユニーク。
 先に書いたとおり、青ネギは取り皿の方へ入れられて出てくるし、鍋の中はチャー
 シュウ、半熟煮玉子、モヤシ、大根おろし、チンゲン菜という組み立て。ラーメン
 に大根おろしというのは、僕は初見じゃないだろうか。ネットで調べると、全国的
 には提供している店があるようだが、それほど多くはないようだ。この中で、モヤ
 シと大根おろしは最後に加えられ、半分以上、スープの上に顔を出しているので、
 まだシャキシャキ感を保っている。スープの温度を一気に下げようと思えば、これ
 らを完全に浸けてしまえば良いだろう。とにかく、提供された直後は、まだ半完成
 品で、モヤシを浸けるか、大根おろしを溶かすか、麺をしばし置いておくか、と客
 の好みでその後の熱の入れ方を変えることができるのが楽しい。
 
 基本的に飲んだ後のラーメンなので、冷めるのを待ったりしながら、時間をかけて
 食べることができるのは楽しいと思う。ちなみに僕は最初、崩さずに食べ、麺が丁
 度良い茹で具合になったところで崩して食べた。半熟煮玉子は1/2が2個、つまり玉
 子1個分入っている。これもしばらく置いておくと、適度に温まる。チャーシュウは
 しっかり煮込まれたバラ肉のようだ。厚みもしっかりあり、肉好きには嬉しいだろ
 うが、僕的にはまぁまぁ。飲んだ後にはそれほど肉は食べたいとは思わないのだ。

 しかし、味は普通以上に良かったと思う。単に僕が飲んだ後に、厚みのある脂身の
 ジューシーな肉に?と感じただけだ。卓上には半擦り白胡麻、ニンニク、胡椒が用
 意され、提供時に「胡麻をたっぷり入れて食べてください」と言われたので、僕は
 半ば頃に胡麻を投入した。匙2杯くらい入れたのだが、胡麻の味がプラスされたくら
 いで、あまり大勢に影響はないなと感じたので、さらに追加したが、胡麻の味が上
 滑りするだけだった。うーむ、無料のトッピングなので、好みではなければ加えな
 ければ良いのだが、それほど相性が良いとは感じなかった。ただし、胡麻には食物
 繊維が豊富に含まれているため、飲んだ後に炭水化物(中華麺)、水分(スープ)と共
 に摂取すれば、翌朝の快調が促進される。そういう意味では機能的だが、味的には
 それほど好相性ではなかった。
 
 サービスは非常に良く、明るくハキハキして、深夜のラーメン店にありがちな、ど
 んよりした雰囲気は全くない。これは嬉しいな。胃がしっとりと温まるというのも
 あるけれど、何だか元気をいただいた気分になった。また一つ、広島の夜の街に旨
 いラーメン店ができたということになるのだろう。今後のさらなる進化を期待した
 い。 (04.03)