ふじもと(らーめん)

http://hamanet.jp/kaishoku/detail.aspx?txtKshopcd=1493

広島県広島市西区新庄町5-7 082-537-0248 11:00-15:00(売切終い)/月休/P有

 ラーメン塩or醤油(サンマ、ホタテ、海老、マグロ、アサリ)800円、
 もりそば醤油(サンマ、ホタテ、海老、マグロ、アサリ)800円、
 替玉+100円(土日祝は+150円)、燻製チャーシュウ(限定)+200円、
 半熟味付トロッ玉子(限定)+100円、鮭ご飯150円
・禁煙

 新庄橋の北側、踏切を渡った先にある判りにくい店だ。ただし、看板があちこちに
 出ているので、その指示に従えば容易に辿り着ける。店主は「海と大地。」の店主
 と兄弟で、確かに共通している部分はあり、麺は同じものを使っているようだが、
 スープなどの組み立ては全く違う。兄弟だから迎合するのではなく、兄弟だから競
 っているのだろう。この辺りの意気込みというか、真剣さは、そのままラーメンに
 現れている。
 
 開店早々の2003年4月に訪れたときは、基本のラーメンを食べたが、もう少しまとま
 りきれていないように感じられた。これはもう少し様子を見たいな、と思っている
 と、開店当初はなかった秋刀魚ダシのラーメンが提供されており、すごい旨さだと
 教えてもらったので、再訪したのだ。
 
 基本のラーメンはマグロダシだが、それ以外に帆立、海老、秋刀魚のダシがあり、
 それぞれに塩と醤油があるので、スープだけでも8種類揃っていることになる。
 僕は秋刀魚ダシのラーメンを醤油でお願いした。丼の上に顔を近付けただけで、
 秋刀魚の甘い香りがふわっと立ち昇ってきて、食欲がそそられる。スープには小さ
 な脂の粒が少し浮いており、薄い油の膜が表面を覆っている。濁りはそれほど強く
 ないが、アクのようなものがスープ内に漂っており、それほど見ために美しくはな
 い。しかし、スープのインパクトと力強さは凄い。一口で笑いが出るほど秋刀魚の
 味がしっかりと感じられる。スープに漂うアク状のものは、アクではなく、秋刀魚
 節を粉砕した破片なのだ。東京の一部の店ではそういう技法が使われているが、
 広島にもその技法を使う店が出てきたということだろう。それにしても、これだけ
 主張の強い素材を使うと、味のバランスは壊れるのが普通だが、秋刀魚の味をベー
 スとなる豚骨スープがしっかりと受け止めている。シンプルながら骨太な組み立て
 で、僕はこういう味作りって大好きだな。麺は中太でムチッとした噛み応えがあり、
 スープの強い主張に負けていない。最後までコシが抜けないところも好ましいと感
 じた。
 
 具はチャーシュウというよりも、豚バラ肉を甘辛く煮たものと、モヤシ、青ネギ。
 スープの主張が凄いので、中途半端なチャーシュウは合わないと思うが、このチャ
 ーシュウは良く合っていた。ちょっとした口直し的に食べると、さり気なく旨いの
 だ。
 
 それにしても、この店のラーメンは衝撃的だな。もし「秋刀魚節?キワモノじゃな
 いのか?」と思う人がいたら、それは違う。日本屈指の名店「麺屋武蔵」が使って
 いることで有名になり、その後、使う店が増えてきたが、高価な上に生産量が少な
 く、風味が強すぎるのでなかなか使いこなせない素材なのだ。
 
 僕は今回、醤油味で食べたが、塩で食べたらまた違うと思う。さらに、他のラーメ
 ンもぜひ試してみたい。ただし、どのラーメンにもスープに粉砕された素材が入っ
 ているので、舌触りは心もちザラリとしている。風味の強さと共に、この辺りが好
 みの分かれるところだろう。
 
 しかし、僕はここから小さくまとまってほしくないな。マイナス部分がないという
 消極的な味作りではなくて、少しくらいマイナスがあっても、大きなプラスがある
 味のほうが魅力的だし、そういう味にハマルと、他の店で代えることができなくな
 る。ぜひとも、この路線で大きく躍進してもらいたいと思う。
 
 なお、サービスも非常に良い。店主がラーメンを作る姿はとても真剣で、まるで
 茶道か何かの儀式のようだ。店内も清潔だし、立地の難しさによる場末感は全くな
 い。しかし、営業時間は非常に変則的で、車による移動販売なども行っているため、
 常に店で食べられるとは限らない。訪れる際は注意してほしい。(03.07)

 公式サイトがあることが判った。さらに、年末には年越しラーメンも行うとか。
 初詣帰りに熱々のラーメンというのもオツだ。しかも、ここのラーメンなら、今年
 最初の一杯として充分満足できると思うぞ。(03.12)

公式サイト
http://ww4.enjoy.ne.jp/~fujikanban/ra-men/