串の家

竹原市中央2-13-5 TEL:0846-22-5483 11:30-13:00 17:00-22:00 水休 P有
 
 串揚げ定食819円〜(昼のみ)、おまかせ串136円〜、
 七種御膳1659円、十種御膳2079円

 国道185号線沿いにある店だ。昼の営業も行っているが、僕は夜に訪れた。
 店内は広いが、カウンターのみで座敷などは見当たらない。角の席に座ると
 「おまかせでよろしいですか?」と訊かれた。季節の素材が出るのですか?
 と問うと、そうだとのことなので、おまかせでお願いした。まずは目の前に、
 抹茶塩、ソース、ポン酢、タルタルソース、レモンが載った皿が置かれる。
 好みで味付けをして食べるということらしい。それにしても、串揚げ店で抹
 茶塩が出てくるのは珍しいと思う。最初は足付きの大きな海老が供された。
 揚げ方は、素材をねりやに浸した後、パン粉を付けて揚げるようだ。串揚げ
 の正統なスタイルだが、ねりやの粘度が低い。また、自家製の生パン粉が綺
 麗に立っている。そして、最も良いのは油の風味が鼻に付かない。
 海老には適切に熱が入っており、身質はぷりぷりしている。これには抹茶塩が
 よく合った。次は辛し明太子を大葉で包み、それをさらに鶏のささ身か何かで
 巻いてあった。提供するときは「明太子です」としか言われないので、何も考
 えずに口に入れたら驚いた。辛し明太子はまだレアで、大葉との相性が良い。
 鶏肉は裏方になっており、辛し明太子の味の強さを和らげる役目を果たしてい
 た。うーむ、これは独特。ポン酢が合うか、ソースが合うか、判断しかねた。
 次は「オクラです」と言われたが、串の上下にオクラが刺さっており、間には
 カマンベールチーズと小海老が潜めてあった。オクラのぬめりとカマンベール
 チーズの粘りが面白いコントラストで、小海老でさらに驚かされる。次は、蟹
 の身をほぐして大葉で包み、それをメンタイらしき白身魚で包んだ串。蟹の味
 を邪魔しないように、鶏肉ではなく白身魚を使ったのだろう。ほろっとした白
 身魚と蟹の身の甘さが旨い。続いて鯵。地元で獲れた鯵の半身を串に刺し、マ
 ヨネーズ、さらし玉ネギ、パセリを添えてある。さらに山芋。これもシンプル
 な山芋ではなく、山芋を海苔で包み、さらに鶏肉で包んである。山芋はまだサ
 クサクしており、それほど熱は通っていない。そして、ホタルイカ、牛ヒレ(あ
 いだに玉ネギ)、アスパラの豚バラ肉巻きと続いた。僕は公式サイトを見てから
 訪れたので、牡蠣がないのかな?と思い、店主に尋ねると、出してもらえた。
 味は牡蠣フライだけど、牡蠣が大きく立派で非常にジューシーだった。続いて、
 海老の大葉巻き(最初の串より海老が小さい)、サヨリ、ウズラ玉子、帆立貝柱
 だった。ウズラ玉子の時点で、次で終わりにしてくださいと言ったので、〆が
 帆立貝柱。中心がまだわずかにレア程度の揚げ具合で、素材も良いが揚げ具合
 も良かった。酒は最初、生ビールを飲んでいたが、ワインが合うと書いてあっ
 たので、それを頼んだ。どれが合いますか?と問うと赤とのこと。よく冷えて
 いたためか渋味が強く、僕にはそれほど合うとは思えなかったが、なみなみと
 注いでくれるのは嬉しい。葡萄品種などは不明だがサントネージュワイン株式
 会社の品とのことだった。壁には、イチゴ、カマンベールチーズ、アイスクリ
 ームなどの変わり串もあると書いてあったので、興味がある人は頼むと良いだ
 ろう。そうそう。カウンターの上には青ネギが生け花のように置いてあるが、
 これは自由に食べることができる。生なのでちょっと刺激があるけれど、口直
 しに丁度良い。店主は古武士のような印象の人で、ちょっと緊張感がある。店
 内には骨董類が置かれ、静かな音楽が流れている。至れり尽くせりのサービス
 ではなく、適度に放っておいてくれるので、それはそれでありがたい。値段的
 には良心的で、僕は計13本の串を食べ、酒も飲んだが4,200円だった。地元の
 魚介を使う点、串の創意工夫、店内の清潔さなど、どれをとっても串揚げ店と
 しては最高レベルだと思う。これほどの店ならば、昼でも旨いに違いないが、
 むしろこの店の実力は夜にこそ発揮されるのではないかと感じた。
  JRを使ってでも食べに行きたい店の一つだ。(03.01)