迷ってみましょう広島

   このコーナーは、積極的に道に迷うコーナーです。

 迷ってみましょう広島41

 去年の暮れの休日にボケーッとテレビを観ていましたら、とあるローカル番
組で福山の仙酔島にある「江戸風呂」なる蒸し風呂が紹介されていました。
今流行のデトックスに効果的、体の毒素が出ますとのふれ込みで、ちょうどそ
の頃心身ともにヘトヘトになっていた僕は、おーこりゃ面白そうと、その番組
を食い入って観てしまいました。
 かみさんにも話をしたところ、是非行ってみたいというので早速電話。正月
休みに予約を取り、行ってきました。と言うことで今回は町歩きではなく、風
呂レポートです。

 普段、船に乗らない者にとって、ほんのわずかな時間でも船に乗って移動を
すると、実に非日常を満喫した気分になるものですね。鞆の浦から仙酔島まで
片道わずか5分の乗船。たったそれだけで、ずいぶん遠くに来た気になるから
不思議です。

 船を下りて3分も歩かぬうちに江戸風呂のある宿「ここから」に到着。受付
で江戸風呂の入り方の説明を聞きます。この江戸風呂は、3つの蒸し風呂(サ
ウナ)と露天風呂、それに加えて目の前の瀬戸内海の5つから成っていて、そ
れらを所定の順序で巡りながら発汗・吸収をすることで、体にたまった毒素を
排出し、心身共に健康になる、という趣向なのであります。

 受付で渡されたポロシャツと短パンに着替え、入浴手順のレクチャーを受け
たら早速スタート。まずは一つめの蒸し風呂。小さい扉を開け、しゃがみなが
ら中に入ってみると、小さな室内はむっとするような熱い空気と猛烈な湿気で
いっぱいです。「奥の方が熱いですよ」と言われていたので、奥に入りたかっ
たのですが、そこではすでに先客が猛烈な勢いで発汗中我慢中。あの人が出た
ら絶対あそこに移動してやるからな、と考えているうちに、入り口近くで座っ
た僕でも、顔中から汗が噴き出すほどに暑くなってきました。

 頭から顔から背中から、ぼろぼろとこぼれるように汗が噴き出てきます。こ
れはいいですね。なにやらスカッとした気分になってきました。蒸し風呂の規
定入浴時間は約10分。とはいえ時計があるわけではないので、自分のタイミ
ングで出てくださいとのこと。
 しばらく汗を流した後、さぁ次へ。次は「胎内風呂」と名付けられた、濃い
塩水の露天風呂。空気枕を首につけ、体を伸ばすと自然にふわっと体が浮かび
ます。温度はぬる目の37度。あんまり長く入っているとだんだん冷えてきま
した。寒い寒い。次行きましょう。 次は二つめの蒸し風呂。さっきの風呂で
は海藻を蒸した蒸気が室内に充満してましたが、今度の部屋はヨモギです。扉
を開けるとヨモギの良い香りがします。

 ところで、このあたりで私、気づいたのですが、このコースで巡るお風呂は
みんなが同じ順序で巡るので、さっき同じ風呂に一緒に入っていた人が、次の
風呂でも一緒になるのですね。先ほど猛烈我慢していた先客が、このヨモギ風
呂でも先客としてまたまた我慢中でした。笑えます。早く場所譲ってね。

 胎内風呂で冷えた体が芯まで暑くなってきたので、さあ次へ。次はいよいよ
この江戸風呂名物?の「世界最大の露天風呂」。厳冬の瀬戸内海へ。考えただ
けでも鳥肌が立ちそうです。入浴前のレクチャーでも「仙酔島には救急車は来
ませんから」というブラックジョークを聞いていましたので、ま、無理せず足
だけでも入ってみますかね。砂浜に出て、波打ち際まで来て、気持ちを決めて
えいやっと、すねのあたりまで海に入ってみますと、うわっ、冷たい!でもも
うちょっと耐えられるか?腰まで浸かって肩にザバーッと潮をかぶったあたり
で、先に浸けた足先の方が猛烈に痛い痛い!これはもう冷たいんじゃなくて痛
いです!もうだめギブアップ!

 入浴時間は30秒ぐらいですかね。かみさんも10秒ぐらいで出てました。
その後しばらく砂浜を歩いてくださいという指示に従い、てくてくと足跡をつ
けながら歩くと、なんと真冬なのに全く寒く感じません。面白いですね。汗も
引いて気分爽快なくらいです。この「海に浸かる」というイベントを楽しみた
いなら、ここには暑い時期よりも寒い季節に来た方が良いかもしれませんね。

 砂浜から帰ったら、ドリンクを1杯飲んで、最後の蒸し風呂へ。最後はビワ
です。ちょっと何か枯れたような、渋い香りのお風呂です。海で冷えた体をし
っかり温め直そうと考える人が多いのか、この風呂ではたくさんの人が汗をか
いていました。すみませんすみませんと言いながらちょっとずつ詰めてもらっ
て、入り口脇にちょこんと座ります。
 入り口脇は、すきま風が少し入ってくるので妙に過ごしやすい温度になって
いて、汗をかくにはイマイチだなぁ、と思っていたら、奥の人が出てくれたの
で、順に詰めて徐々に僕も暑くなってきました。

 ところでこの最後の蒸し風呂に入る前、僕はオプションの「海藻パック」を
利用したのです。海藻で出来たパック液を顔中に塗りたくり、残りを腕やらす
ねやら体中になすりつけて入ったものですから、ただでさえ体中がべたべたし
ているところへもってきて蒸し風呂で大汗、まるで真夏に背広でアスファルト
の道を延々歩く様な状態です。暑い。べとべとする。ううーー。

 とか言いつつも結局10分ほどビワの香りを満喫し、本日のお風呂終了。江
戸風呂のウェブサイトを見ると、もう一つ薬草風呂というのが載っていますが、
この日は薬草風呂はお休みでした。

 僕らはそのまま仙酔島に1泊しましたが、日帰りでもこのお風呂入れるそう
です。ちょっと汗を流してスッキリしてみたい、それから海にも浸かって震え
てみたい、と言う方、是非ともお試しあれ。

デトックススパハウス 江戸風呂

http://www.sensuijima.jp/senweb/e/index.html

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