再開発された街(2)広島の屋台の火は消えたか?

広島市内にも、つい最近(2年前くらいかな?)まで本物の屋台がありました。
夕方から組み立てはじめ、深夜まで営業し、翌朝には片付けてある。

今のエールエールができているあたりが、以前どのようであったか覚えておいで
でしょうか。広島百貨店という、とてつもなく古びた百貨店があり、その一階の
一角には、広島銀行が入っていました。ちょうど、地下道から地上に出たところ
ですね。せまい路地を挟んでの向かいには、リーガル靴店がありました。

広島銀行とリーガル靴店の間の狭い路地が今回のテーマです。あの路地では、数
軒のお店が商売をしていました。リーガル靴店の側には、モツ鍋屋、焼肉居酒屋
があり、広島百貨店側には夜になると屋台が二軒出ていたのです。安藤が広島で
一番大好きな路地でした。

その二軒の屋台の奥の方が安藤のお気に入りの店でした。メニューは、おでんと
焼き物とラーメンくらいだったかな。安藤、この店の足や耳が大好きでした。
自分のところで、丹念に手入れをしていまして、足などは、注文を受けてからバ
ラしていました(ひとつの足が6ピースになる)。耳も焼く前にきざんでいたかな。

あ、足ってのは、豚足のことなんですけどね。臓物肉や足、耳、舌、尾などの部
分ってのは、素材そのものの良さも必要なんですけど、どれだけ丹念に手入れす
るかというのも重要なポイントなんです。屋台ですから、焼くと言っても、炭火
とかじゃなくて、コンロで魚焼きの網で焼くだけのことですけど、手入れや茹で
加減がよいせいかとてもおいしかったんだな。

仕事帰り、屋台にちょっと寄り、熱々のおでんや豚足と燗で、電車を二本やり過
ごすくらいの時間を潰す。スポーツ新聞の競輪欄を後ろポケットに差し込み、屋
台のおやじと世間話をするおじさん。おでん2本と熱燗1本でさっと帰る初老の
スーツの人は、帰宅するのに助走が必要なのかな。えたいの知れぬカップルもい
る。向かいのモツ鍋屋では、サラリーマンのグループで満席だが、仕事の愚痴を
言いあっているのか。ちょっと猥雑で混沌とした、狭い路地。

街がきれいになり、混沌とした路地がなくなってしまった。安藤にとって、駅前
再開発は、「失ったものは多いが、得たものは何もない」というところかな。だっ
て、安藤は、デパートなんて利用しないし、唯一使う、地下食料品売り場にして
も、あのデパートの場合、全然魅力ないんだもの。

あの屋台、どっかで店を構えて商売してないかな。もし、知っている人がいたら
教えておくれ。


 安藤トロワー@兼業主夫(本業主夫、副業会社員)