冷めん家(れいめんや)

 広島市中区十日市町2-9-22 11:00-14:00 17:00-19:00(売切れ終い)
  (ただし土は11.00-14.00のみ)/日祝休

 普通900円、普通特1,200円、大盛1,100円、大盛特1,300円、大大1,200円、
 大大特1,400円、
 リャンサイ900円、ビール500円、容器代100円

 十日市の電車通り沿いにある人気店だ。元々は「新華園」の十日市店だったが、
 装いを新たにして店名も変更してしまった。しかし、料理としての変更はなく、
 つけ麺(この店では冷麺)のみの提供になっている。ツユには甘さが感じられず、
 きりっとした和の印象が強いもの。「新華園」の各店では酸味がしっかり効いて
 いることが多いが、この店の酸味はそれほど尖っていない。
 柑橘系の例えばレモンの酸はむせるように強いが、じんわりと酸味が感じられる
 ツユだ。そして、舌には塩を強く感じないのに、比較的ツユの塩分は強めだと思
 った。しかし、最初の一口と最後の一口に感じるツユの濃度がほんの少ししか変
 わらないのだ。通常、つけ麺の店では、最後の辺りはツユが薄くなってぼやんと
 した味になるのに、最後までツユはツユとして主張している。そのマジックの
 ネタは最後まで判らなかった。
 
 表面には煎り立てなのか?と思えるほど香ばしい金胡麻がたっぷりと層を成して
 いる。辛さは辣油から派生するので、表面に浮いている。食べているとどうして
 も素材にたっぷりと付着するので、除いて食べることはできないのだ。逆に辣油
 の分量は食べている間に減ってくるので、辛さが足りない人は、辣油を追加して
 もらおう。そういう人は割といるので食べながらカウンターに器を置いて合図す
 れば、すぐに了解してもらえるぞ。
 
 なお、この店では化学調味料は使っていないと公開されている。実際に僕も化学
 調味料の味は感じなかった。麺は「新華園」と同じ江波の原田製麺と思っていた
 が、どうやら違うらしい。どこの製麺所か判らないが、かなり近い味なんだけど
 な。麺は中太よりも少し太めのストレート。かん水の香りはほとんどなく、小麦
 の甘い味と香りがする秀逸に旨い麺だ。表面はやや粘りがあるが、芯には強いコシ
 を持つ。具は、チャーシュウ、茹でキャベツ、青ネギ、キュウリ、紅タデ。
 チャーシュウは柔らかい豚肉で、冷えているのにごわごわした触感は全くない。
 ふわりと柔らかく、冷えているのにジューシー感がある。これはヒレ肉だろうか?
 一見、味付けしていないように見えるが、そんなことはないので、ツユに浸すと
 やや塩辛いと思う人がいるかもしれない。
 
 茹でキャベツは柔らかくて、甘味が豊かで、噛むとぱりっと音が立つほど瑞々しい。
 そして、食べても食べても口の中に苦味というか、エグ味が残らない。これは良い
 キャベツの良い部分だけを選んでいるからできることだと思う。青ネギはささ切り
 にして、さらしてあるので、独特の刺激臭がない。キュウリは種の部分を除いて
 千切りにしてあるようだ。
 
 どこにでもあるようなつけ麺に見えて、一つ一つの完成度が非常に高い。
 また、思ったよりも量が多いことが特徴だ。僕は普通特、つまり麺は普通だけど具
 は特盛にしたものを頼むことが多いが、麺だけでもラーメンなどの1.5倍は優にある。
 そこへ大量の野菜と肉を食べるので、思ったよりお腹一杯になってしまうのだ。
 サービスは独特の緊張感があって職人的。店に入ると同時に注文を聞かれるが、
 カウンターに着席することは許されない。まずは後ろの長椅子の入口付近に座る。
 そうすると全体が店の奥に向かって動き始めるので、その動きに従いお尻を移動し、
 店の奥まで移動したら、カウンターへ誘導される仕組みになっている。
 最初に注文しているので、座ってからの待ち時間は短いのだ。食べ終わると食器を
 あげてテーブルを拭き、入口付近にある篭にお金を入れ、お釣りがあれば自分で
 勝手に取って帰る。非常に独特なシステムだが、慣れれば気楽だし、何よりも厨房
 スタッフが料理に集中しているので、客の数の割には提供が早い。手を抜かずに提
 供スピードをあげており、これはこれで得がたいサービスだと思う。
 
 そんな店なので、店主との会話はほとんどない。
 常連の客にはせいぜい「いらっしゃいませっ!」の後に「まいど!」が入るくらい。
 鍛えられた鮨店のようにキビキビしていて、僕はこういう雰囲気って好きだな。
 元祖は「新華園(河原町)」だが、味的にはこちらが勝っていると僕は思う。
 なお、この店ではお持ち帰りもでき、その場合は並ぶ必要がないので、店に食べら
 れない人はお持ち帰りを頼もう。
 また、公式サイトがあり、通信販売も行っているので、転勤などで広島を離れてし
 まった人はこちらを利用すると便利だ。Q&Aを読むと職人的な見かけとは裏腹に、
 意外と融通が利くんだな、ということが判って楽しい。ファンは必読だ。(02.07)