迷ってみましょう広島17

   このコーナーは、積極的に道に迷うコーナーです。

  いや〜今月はよく雨が降りますね。今年のフラワーフェスティバルも雨にや
 られましたし。晴れたのは最終日だけで、一日・二日目とも雨でしたよね。

  そのフラワーフェスティバルに知人が出店していたので、顔を出してこよう
 と最終日に出掛けたんです。そしたらすごい人出で。色々食べ歩いてみようか
 とも思ってたんですが、歩いているうちに頭が痛くなってきまして、こりゃい
 かんと裏通りの方へ避難したんですよ。
  平日には人通りの多いオフィス街の道も、祭りの裏側とあっては人もまばら
 で、僕と同じように人混み疲れした様子の家族連れが、大儀そうにのろのろと
 歩いているだけでした。

  ふと、古風な建物が目に付きました。旧日本銀行広島支店の建物でした。
 部屋の電気が点っているのが窓越しに見えます。そうそう、見学できるんです
 よね、ここ。電気がついてますし、今日は開いているみたいですね。入ったこ
 と無いんですが。ちょっと暇つぶしに寄ってみますかね。

  表に回って玄関から入ります。玄関脇に看板があって「折り鶴展示試験中」
 と書かれています。平和公園の原爆の子の像に捧げられた鶴一年分(2002
 年度分)を、試験的に3階の会議室で全量展示してあるのだそうです。ふむ、
 ま、入ってみましょう。入館は無料です。おじゃましま〜す。

  入るとすぐ、広いフロアに高い吹き抜け。いかにも古い銀行といった感じの
 空間が拡がっております。ここで「ほぉ〜」とか「はぁ〜」とか一通り言って
 いるうちに「結局、ただ広いだけじゃね」という感じになってきました。次に
 移動することにします。
  メインフロアの横に通路があって、そこに階段がありますね。え〜っと折り
 鶴は3階だったよな、と階段の方を見ると、うぉっ、な、なんとそこに!

     「←地下金庫」

  なに〜〜っ!ち、地下金庫だと!!みなさん、地下金庫ですよ!あぁ、何と
 甘美な響きなのでしょうか。皆の憧れ地下金庫。あなたも私も地下金庫。誰も
 が一度は、地下水路からコツコツ掘り進み金塊の山を我が物にするトンチンカ
 ンな野望を企てたことがあるでしょうが!その、夢の地下金庫が今あなたの目
 前に!
  もう、気分は完全にルパンか不二子ちゃんです。フラワーフェスティバルの
 ために広島市内まで出てきたことなんて、どうでもよくなってきました。よし
 っ、行くぞ地下金庫へ。ウハウハする気持ちをぐっとこらえつつ、矢印の示す
 地下へと向かいます。

  ・・・コツ・コツ・コツ、はい、地下に着きました。むむっ、この部屋にあ
 るのか地下金庫は!なんだ〜ただの部屋じゃないか。ならばこっちの部屋か?
 もう、ここも違うじゃないの。入る部屋全てが妖しく見えてしまいます。次の
 部屋はどうだっ!んも〜ここも違うじゃない!どうなってんのよ!

  おやっ。出ました出ました。廊下の先に静かに佇む鉄格子が。
 やったーあれだーあれこそまさに鉄格子。そして鉄格子の先に見えるあのでっ
 かい・・・うわっ、なんじゃありゃ、何、何?金庫?ロボット?いやいやあれ
 は、とっとっ扉じゃないの!うわぁでっかい扉!こりゃ凄えや。

  近づいてみますと、本当に馬鹿でかくて分厚い、ピカピカに光る金庫扉があ
 りました。凄い厚さです。50センチぐらいあるかな。いや、もっとあるか。
 表面がガラス張りになってまして、扉内部のロック機構が見えるようになって
 ます。ロックする部分も凄い大きさで、家のカギのロック部分なんて普通、み
 そ汁の豆腐か麻雀の牌ぐらいの大きさしかないでしょう?それがこいつに付い
 てるのは僕の腕より太そうです。しかもいっぱい付いてます。

  金庫室の中に入ってみました。当然ながら何にもありません。こんな所に閉
 じこめられたらアウトですな。ふと、天井に矢印が書いてあるのに気付きまし
 た。矢印は今入ってきた入り口に向けて続いております。それにしても変な色
 ですね。薄い黄緑色のペンキで。普通もっと派手な色で書くでしょ。
  矢印をさらに辿ると、金庫室前の廊下の壁にも同じ色で矢印が書いてありま
 した。目立たない色だったんで、さっきは気付かなかったんですね。と、ここ
 でピーンときましたよ。ははーん、さては、とその矢印の一部を手で覆って暗
 くしてみると、案の定ぼんやり光っております。夜光塗料なんですよ。

  金庫室は二つあるので、あの馬鹿でかい扉も二つあるんですが、その二つの
 扉の間にもう一つ、小さい扉があります。後で調べたところ普段は大扉ではな
 くこっちを使っていたと云うことなんですが、こいつは直径が1メートルぐら
 いの丸い扉なんです。これもまた凄い厚さで、潜水艦か宇宙船の気密ハッチみ
 たいでした。

  地下金庫を十分堪能した後、3階の折り鶴を見に行ったんですが、これもま
 た凄い量で。じわりと感動してしまいました。また、この建物全体が何だか面
 白い構造で、途中で本当に1回、自分がどこにいるのか分からなくなってしま
 いました。洋館の中をさまよいながらゾンビを倒すゲームが好きだ、という風
 な人には是非お勧めです。あ、金庫室わきの細い通路もびっくりしますよ。

  とにかく、びっくりずくめの場所でした。普段は開いていないようですが、
 何かイベントがあるときには開館していて見学できるようですので、是非皆さ
 んも行かれてみてください。結構楽しめますよ。

旧日本銀行広島支店ホームページ

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