安藤ちの「年越しそば」

とある方から、「あなたのおうちの年越しそばのスペックはどのようですか」と
 いうような御質問を受けたのね。「年越しそばのスペック」ですかぁ。

 「シャーコ」「シャーコ」「シャーコ」車庫ではありません。
 「シャーコ」「シャーコ」「シャーコ」包丁を研いでいるのです。
 安藤ちの大晦日の朝一番はじめのお仕事は、各種の包丁を研ぎ上げることです。

 さて、安藤ちの「年越しそば」でございますが、もう、これは、年末の儀式のひ
 とつとして定着しておりまして、大晦日の夕方4時半くらいから、まず、そばの
 準備をはじめます。北海道と茨城から取り寄せた新そばを臼(といっても、ハン
 ディサイズのちいさいやつね)でひいて、そば粉とします。臼が小さいので、こ
 の作業はやたら時間がかかります。肩が痛くなりながら、3時間くらいかけて、
 そばを粉にします。このそば粉を使い、そばを打ちます。

 そばを打つというのもたいへん神経を使う作業です。せっかくの大晦日の年越し
 そばをあかぬけない田舎臭いぼろぼろとした太いそばにしたくないので、繊細に
 麺棒(綿棒ではない)でのばし、年に数度も使わない、そば打ち用の包丁で慎重
 かつ素早く寸分たがわぬ太さに切りそろえていきます。

 さて、ここらへんで、もう8時を過ぎています。先を急がなくては。

 おだしのほうですが、羅臼産の昆布と鹿児島産の削りたての鰹節(今どき鰹節を
 削る家なんて、ないだろうな)をつかい、濃厚にとります。東京のおそば屋さん
 に習ったのですが、和食の普通のおだしの取り方とは違い、おそばのだしは、鰹
 が大量に入ったまま、30分以上ぐつぐつと煮るんだそうです。

 さて、9時を過ぎるころにおもむろに大量の湯をわかしまして、そばをゆでる準
 備をいたします。トッピングですが、「観音ネギだけ」です。極上の手打ちのお
 そばと、おだしを準備して、何のトッピングが必要でしょうか。

 あ、そうそう、七味にはちょっと気を使います。七味唐辛子というのは、トウガ
 ラシ・ゴマ・サンショウ・ケシ・なたね・麻の実・陳皮(みかんの皮のこと)を
 ブレンドした和風スパイスなんですが、安藤ちでは、独自のブレンドです。浅草
 の露店商に七味の薬味をお客の要望に合わせながらまぜあわせていくという、お
 じいさんがいるのです。そのおじいさんに頼んで、トウガラシを控えめにして、
 麻の実と陳皮を多めに、サンショウは香り高いひきたてのものをというように指
 示出しして、安藤独自のブレンドを完成します。そして、さらには、ゆずの皮を
 加えます。これは、さすがに浅草のおじいさんも持っていません。高知の北上村
 というところから取り寄せた、秋晴れの空が高い日にゆずの皮を丹念に干したも
 のを細かく刻んだものです。七味プラス香り高いゆずの皮で、これ以上のトッピ
 ングはないかと存じます。これだけ手間をかけるんですから、食べはじめは午後
 11時過ぎでしょうか。

 と、真剣に、ここまで読んだ方ごめんなさい。以上は全部(大嘘)です。

 安藤ちの年越しそばは、出来合いです。だって、安藤は兼業主夫なんで、大晦日
 なんて、そこらへんの主婦を数倍上回るくらい忙しいんだもん。

 あ、でも、出来合いといってもね、出来合いなのは、おそばだけ。具材は、おせ
 ちの余り物を活用するし、おだしはおせちのために大量にとったのが数リッター
 残ってますからね。

 安藤ちの年越しそばは、出来合いのおそばに、あり合わせの具材、おだしは自家
 製の鰹と昆布。皆様にも安藤にも来年こそは良いことが沢山ありますように!!


 安藤トロワー@兼業主夫(本業主夫、副業会社員)