松風庵

広島県広島市中区幟町7-27 へ移転

 せいろ735円、つけおろし945円、天せいろ1,050円、つけ鴨せいろ1,155円、

 かけ735円、玉子とじ787円、鴨南そば1,155円、大盛+262円、
 定食735〜840円(11:30-14:30)、小親子丼367円、小天丼420円

広島市西区横川町

 JR横川駅の高架下にできた店だ。まだ、開店して一年も経っていないが、新蕎麦
 を出しているので訪れることにした。店内は余計な装飾がほとんどなく、キーンと
 した清潔さと潔さが感じられる。椅子も、テーブルも、非常にモダンで居心地が良
 い。
 
 メニューを見ると、蕎麦店にしては珍しく、ご飯ものがある。昼にはせいろに小天
 丼が付いた定食があったので、それをお願いした。連れは玉子閉じ蕎麦。簡単そう
 で、かなり難しい種ものだ。蕎麦は切り幅がやや太め。出雲蕎麦のように太いので
 はなく、東京スタイルの蕎麦にしては、ほんの心もち太いという程度だ。切り幅は
 綺麗に揃っており、見ためからパシッとしてエッジが立っている。色は薄い緑色と
 灰色を混ぜたような、やや白っぽい色をしている。
 
 口に入れると、最後の締めに氷水でギュッとしめてあるようで、固いほど強い押し
 返しのあるコシが感じられた。ややゴワッとした部分も感じられるので、もう少し、
 締めが緩くても良いかな?と感じるのだが、その辺りは好みかもしれない。蕎麦が
 硬めだけど、咽喉越しは良く、噛み締める蕎麦の旨さもまた楽しい。
 清冽な印象が強く、あまり強い蕎麦の風味はしないけれど、洗練された蕎麦だった。
 おそらく、これは二八かな。そうでなければ、この太さに打って旨いということは
 ないはずだ。
 
 ツユは味醂系の甘さをやや強めに感じるが、それほど甘いわけではなく、基本的に
 はキリッとした東京系のツユだった。薬味は白ネギとワサビのみ。総じて、レベル
 の高い蕎麦だと思うけれど、もう少し、蕎麦の風味がほしいという印象を持った。
 コシのある蕎麦も良いけれど、蕎麦はコシよりも風味の料理だと思うのだ。玉子閉
 じ蕎麦は、ふんわりとツユで固めた溶き玉子が上にのり、吸口に柚子と三つ葉を添
 えてある。こちらの薬味は白ネギのみだ。せいろと違い、温かい蕎麦なので、ふん
 わりした口当たりが出てきて、さらりと口腔で溶ける。しかし、持ち上げて切れる
 ようなことはないし、温められた蕎麦の香りが立つ。
 
 ツユは僕はかけツユのほうが好みかな。少し甘味があるけれど、かけだとさほど気
 にならなかった。小天丼定食には、天丼、サラダ、漬物が付いており、天丼はかき
 揚げ、海老、獅子唐がのっていた。天ぷらの衣がややふにゃっとなっていたのと、
 揚げ油の風味があまり良くなかったのが難だが、海老の揚げ具合は素晴らしかった。
 また、ご飯が丼に合わせて硬めに炊いてあり、甘辛い丼ツユの濃さと量が実に適切
 だった。蕎麦だけでは足りないという人には、この定食はお勧めできる。ただし、
 大喰らいの人なら、蕎麦を大盛にしたほうが良いだろう。この店の蕎麦が少ないと
 いう意味ではない。器は小さいが、盛りは他店と遜色ない量は入っている。
 
 しかし、やはり、この店に限らず、手打ちの蕎麦店では、どうしてもたっぷりな量
 ではないからだ。サービスは付かず離れずでちょうど良い。僕は昼に訪れたので、
 メニューに何も書いてなかったが、夜ならば蕎麦味噌なども提供するようだ。
 横川駅の近くだし、ぬる燗を飲みつつ、ちょっとアテを頼み、〆に蕎麦を手繰って
 帰るという使い方もできるだろう。今度はぜひ、夜に訪れてみたい。 (03.11)