迷ってみましょう広島20

   このコーナーは、積極的に道に迷うコーナーです。

  あらっ、もう20回目ですね。結構続いてますね、このコーナー。
 そういや前後に分けて書いた回もあるから、20回はとっくに過ぎてるのか。
 今年は台風に地震、火山まで噴火するし、憲法変えるだの税金上げるだの、
 この先一体どうなるのか、さっぱり見当も付きませんなぁ。暗い気分になって
 る人もいるんじゃないですか?
  そんな時はですね、ぜひ散歩へ出掛けてみてくださいな。何が変わるって訳
 じゃないけど、なんかちょっと心が軽くなりますよ。

  さて今回は、広島市のおとなり、安芸郡海田町へ行って来ました。
 JR海田市駅の北側の街並みに、かつての宿場町の面影が残っていて、ちょっ
 とぶらぶらしてみるにはいい場所です。

  今回は海田に住む友人に用があったので、その友人とともにぶらぶらしてみ
 ました。この友人、最近海田に住み始めたのでまだどこに何があるのかよく知
 らないとのこと。これは好都合。地理に疎い者同士で歩いた方が楽しいですか
 らね。では出発。

  友人宅は船越小学校の近くにあるので、とりあえずそこからあたりを見回し
 てみますと・・・お、いきなり煉瓦造りの四角い煙突発見。ははー、酒蔵か醤
 油蔵ですかな、あの形。風呂屋は丸い管の煙突が多いですからね。
 「ねぇ、あの煙突、何?」
 「さぁ〜」
 「何や、ほんまに知らんのんかいな。家からこんなに近いのに。
  しょーがないなー。行ってみるか。」

  しかし煙突というのはやっかいなもんで、遠くからはよく見えるくせに近づ
 くと建物が邪魔で全然見えんのよ!えーと、確かこっちの方に見えたんじゃけ
 どな。あら、行き止まり?いやいやそんなことはないはず・・・と細い路地を
 抜けると、お、出た出た出ました、広い道に出ました。酒蔵にしろ醤油蔵にし
 ろ、材料をたくさん運び込まなきゃならんので広い道に面しておるはずです。
 お、しかもこの道に沿って川もある。間違いない、この道です。
  と、すぐに目的の建物は見つかりました。酒蔵でした。なんだ、案外近いじ
 ゃーん。「ほんしゅういち」と書かれた看板が出てます。よし、帰りにひとつ
 買って帰ろうっと。

  さて、道はこの辺から山に向けて徐々に上り坂となります。やはりこの川沿
 いの道はかつてのメインストリートであったようで、坂を上るにつれ右からも
 左からも細い路地がどんどん合流してきます。
  その通りが次第に細くなってきたあたりで
 「でな、大体今までのパターンからいくと、一番上に神社か寺があるんよ」
 なーんて言いながら脇道に入っていったら、ほんとに小さい神社がありました。
 社も敷地も小さいのに、立っている木はずいぶん大きいですね。こういう神社、
 僕結構好きなんですよ。この神社、住宅街の中にありますが、注意して周りを
 見ると、この神社よりも上にあるお家はどれも新しそうなお家ばっかりです。
 やはりかつては集落の一番上に位置していたのでしょう。

 「そうそう、そういえば魚屋があるよ」
 小さい神社を過ぎ、山の手をぐるっと巡ったあたりで、友人がそんな面白情報
 を今更のように披露しはじめたので、再度駅の方へ下ってみることにしました。
  上ってきた道を下り、酒蔵の前を通過、「きけん駐車禁止」と書かれた橋の
 下を「ほんまに危険なんか?」と覗きこみ、角をいくつか曲がったところ、急
 にごちゃごちゃした街並みになってきました。細い路地のずっと奥に駅がちょ
 こっと顔を出しています。
 「あー、駅まで出たね」
 「ほら、魚屋」
 見ると、いかにも懐かしい魚屋。路地まではみ出した緑色のビニールひさし、
 開けっ放しのガラスケース、氷の上に直接並べられた小魚に、手書きの値札。
 メバルうまそう。タチウオでかいねー。イカはもう値札しかないじゃん。お、
 アジがあるでぇ。刺身が欲しくなってきたなぁ。しまった、さっき酒蔵で酒買
 っときゃよかった。忘れとった。

  魚屋を過ぎると今度は花屋。いかにも昔っからある風な花屋。いいなぁ、路
 地には花が似合うよなぁ、と歩いているとまた花屋。その先にも花屋。うわ、
 すげぇ、花屋がいっぱいあるぞ。お、ここには本屋。そうそう、昔はどこの駅
 前にも必ず本屋がありました。こういうところで学校帰りに立ち読みとかする
 んよね。最近は大型書店がいっぱい出来て街の本屋さんって少なくなったけど
 今時の子どもはどこで立ち読みしてるんでしょうねぇ。マンガ雑誌コーナーの
 すぐ横がスケベ雑誌コーナーで、ドキドキしながら立ち読みしてね。ほいで、
 マンガ越しにスケベ雑誌の表紙とかをちらちら見てる時に限って、本屋のオバ
 ハンが本棚の整理に来たりしてね。

  と、まあ、何となくノスタルジックな気分になれた一日でした。
 こんなところに住んでいる友人が、ちょっと羨ましかったです。
 酒は酒屋で買って帰りました。小さい瓶の奴を買ったので、そのままウェスト
 ポーチに入れ、電車にゆられて帰りました。

 梅田酒造場
 http://www.honshu-ichi.com/
 僕は濁り酒を買って帰ったのですが、なんと純米大吟醸は
 二〇〇四年春の国際酒類コンクール純米吟醸・純米大吟醸の部門で
 一位だったそうで。酒蔵はあんなに小さかったのに・・・ビックリ。

                             by 自転車