満天香

  福山市南蔵王町1-9-10 TEL:084-928-4151 11:30-14:30 17:30-23:00
   水曜日休 P有

  特製麻婆豆腐924円、回鍋肉787円、牛肉の唐辛子煮924円、中国東北酢豚630円、
  麻婆豆腐609円、野菜炒め577円、豚肉のニンニクソース525円、坦々麺600円、
  四川風冷麺735円、定食+42〜105円程度、レディースサービスランチ682円、
  お子様定食504円

 キチンと湯包になった小籠包子を出す店福山で初めてではないだろうか。その他に
 焼餃子が人気のようだが、これはイマイチだった。餡は野菜多く生姜が効いており、
 さっぱりしているけれど、皮が既製品のようだし、餡が少なすぎる。中国の田舎的
 といえなくもないが、餡は沢山詰めてほしい。小籠包子は中にスープが閉じこめて
 あるので、袋を破らないようにそぉっと持ち上げて、一口で食べること。箸で裂い
 たり、噛み切ったりするのであれば、スープをこぼさないよう、細心の注意を払っ
 てほしい。
 スープにもう少しコクがほしいけど、本物の小籠包子が食べられるだけで満足かも。
 
 その他には麻婆豆腐が旨かった。辛さ、香り、熱さ、とも本場には敵わないけれど、
 麻婆豆腐の素を使って作る辛味餡かけ豆腐とは違う、油で煮込んだ本物の麻婆豆腐
 だった。この店には中国の味が息づいているようだ。
 
 ただし、それ以外の料理は食べていないので不明。中国の方が作るのならば、ラー
 メンは旨くない可能性が高い。日本のラーメンは原形を留めぬまでに変化した、も
 はや日本料理だからだ。鶏の唐揚げのような、日本で主流の料理もどうかな?と思
 う。中国では非主流の料理だから、料理人が日本の味に迎合しちゃうことが多いの
 だ。(99.11)

 再訪。三吉町から南蔵王町へ移転したようだ。料理の種類、料理人、客席数が増え、
 活気ある店になっていた。しかし、フロア担当の丁寧な言葉遣いの女性は健在で、
 彼女の仕切りとお人柄がこの店の魅力向上に大きく貢献していると感じた。
 日本語で注文を取り、中国語で指示を出すのだが、アーメイ曰く「日本語は丁寧で
 も、中国語はガサツな物言いをする人が多いのに、彼女の言葉遣いは中国語でも本
 当に丁寧だわ」とのこと。
 
 前回から5年が過ぎ、消費税改正等が行われているにも関わらず、料理の値段はほと
 んど値上げされていないことに驚いた。僕は麻婆豆腐定食を、連れは坦々麺を頼ん
 だが、注文後に菜単を眺めていると、麻婆豆腐と特製麻婆豆腐という2種類の麻婆
 豆腐があることに気が付いた。しかも目の前に置かれた「当店の名品」というPOP
 には、特製麻婆豆腐、牛肉の唐辛子煮、レバーのピリ辛炒め、回鍋肉、坦々麺と書
 いてあるではないか。すぐにフロア担当の彼女へ変更が可能か尋ねると、まだ作り
 始めていなかったので、変えてもらうことができた。
 
 最初に坦々麺が出てきたが、これはスープスタイルで、表面を辣油が覆い、挽肉、
 青ネギ、白胡麻、茹でチンゲン菜がのる、日本で一般的なスタイル。まぁありがち
 な坦々麺だな、と思っていると、連れが食べて見るように合図するので食べて見た。
 すると、芝麻醤がどろりと溶けた重いスープではなく、すっきりしたスープに香辛
 料をピシッと効かせたなかなか新しいタイプの坦々麺だった。
 
 この店のオーナーは中国東北地方出身とのことなので、坦々麺も四川省等とは違う
 アプローチをしているのだろうか。僕は芝麻醤を効かせたタイプが好みではないの
 で、これはこれで旨いと感じた。麺の茹で具合やスープとの相性も好ましい。そう
 こうしていると、僕の特製麻婆豆腐定食が運ばれてきた。実は特製麻婆豆腐が出来
 上がった瞬間、厨房から、ぶわっと強い香辛料の風味が流れてきたので「おっ。も
 しかしてこれは・・・」と思ったら、やはり僕の特製麻婆豆腐だったのだ。
 しかし、一見すると、皿の上は白胡麻(剥き胡麻か?)、青ネギ、唐辛子、香辛料で
 びっしり埋め尽くされ、豆腐の姿は全くない。しかも、熱々の油をかけたか何かし
 たようで、皿の中でネギや香辛料が泡を立てて揚がっているのだ。目に染みるよう
 な、むせ返るような油煙と香りに、こりゃすげぇなと思わせる。すると「最初に全
 体を混ぜてください。それと、大変熱いのでご注意ください」と言われた。レンゲ
 で全体を混ぜると、下から豆腐が姿を現し、口にしてみると意外に舌を焼くほどの
 熱さではなかった。それにしても油の量は実に立派。麻婆豆腐はこうでなければと
 も思うが、ダイエット中の人は絶対に嫌だと言うだろうな(笑)。

 食べてみると、唐辛子の辛さはさほどでもなく、花椒も適度な効き具合で舌が痺れ
 るほどでもなく、むしろ香辛料の風味が強かった。化学調味料の効きも弱めで気に
 ならないほど。辣油は香り付けなどは素晴らしいのだが、元々の油の質がもう一つ
 良ければさらに旨くなると感じた。麻婆豆腐にしては胡麻が大変多いのだが、豆腐
 の熱くてとろんとした食感に、ぷちぷち感と香ばしさがプラスされ、非常に好まし
 かった。
 
 また、辛さと熱さはそれほどでもないのに、どんどん汗が出てきたのには驚いた。
 おそらく、香辛料の働きだろう。具体的にはウイキョウなどのエキゾチックな香り
 と、後口の八角っぽい甘い風味が特徴。細かくは判らなかったけれど、食後に胃が
 スッとしたくらいなので、かなり香辛料(=漢方材料)が使われているようだ。
 
 なお、麻婆豆腐を食べる際には白ご飯が必須なので、僕は定食でお願いしたが、
 たったのプラス100円なので、ご飯以外は付け足しに近い。内容は、主菜+ご飯、
 スープ、サラダ、ザーサイだが、サラダはキャベツ等を千切りにしてポン酢をかけ
 ただけだし、玉子スープは30度くらいまで冷めていた。まぁこれは仕方がないだろ
 う。ご飯はぱさつき匂いも悪かったが、気前良く大盛で提供し、僕が食べ終わる頃
 に「ウチはご飯のおかわり自由ですから、おかわりしてください」と声をかけてく
 れた。個人的にはもう少し高くても構わないので、旨いご飯を食べたいと感じたが、
 客の多くはそこまで望んでいないのかもしれない。
 
 それにしても「又来軒」といい「好又来」といい福山市には四川料理の名店が多い
 と思う。僕は未訪だけど「家族菜館」や「四川」も訪れたい四川料理店だ。
 広島市は逆に東北料理の店が多いが、現地感覚の味とバリエーションは福山市のほ
 うが上ではないか?と感じる。
 また、この店には水煮牛肉(牛肉の唐辛子煮)や、古老肉(中国東北酢豚)などそそら
 れる単品料理があるため、次回は夜に訪れたいと思った。
 前回、開店当初に訪れた際は、ぎりぎり星2つに届かずとしたが、星3つに修正する。
(04.05)