美味しい料理
 随分前のことですが、仲の良い友達の家で食事をする、友達の奥さんが子供たち
はいつもあまり食べないいんだけど、皆で一緒に食べるととても沢山食べてくれる
とうれしそうに話をしてくれたことがありました。

 そのときに出た言葉が「顔がおかず」ってことです。

 私も、結婚してから単身赴任などで一人で暮らすことや一人で食事をすることが
多く有りました。

 新鮮な食材を料理のうまいひとに作ってもらへば、それはとても美味しい料理が
できるでしょう。松山で暮らしていたころ、家へ帰る途中に素敵なお店がありました。
この店の前を通る度に、ここで一度食事をしようと何度も思ったことでした。
そんなに高級ではなくそんなに敷居の高い店ではありませんでしたが、すっと入る
勇気が私にはありませんでした。

 松山の仕事がもう少しとなったとき、思い切ってその店へ行きました。奥の座敷
にはグループの人たちがいて、テーブル席もいっぱいでした。
私はひとりなのでカウンターへ、お酒もあまり強くないので最初に少しビールを
頂いた程度でした。座敷やテーブルからは楽しそうな会話が聞こえてきます。
 私の目の前に出てくる料理は店主が料理を簡単に説明してくれて、ゆっくり
味わうことができました。
 入りたかったお店に入り期待どおりの美味しい料理でとても満足でした。

 食事も最後になったころ、店主も私に気を使ってくれたのかいろいろと会話を
楽しむことができました。とても、楽しいひと時でした。

 家へ帰る途中ふとあることを感じたのです。なぜこの店へ入る勇気がなかったのか、
もっと早く入れば良かったと今は思っているのに。それは、その店の雰囲気がいつも
外にまで伝わり、私の心は一人で入っても楽しくないし料理だって美味しく食べられ
ないぞって感じていたのではないかと。店の中が見える訳でもなく会話が外に聞こえ
る訳でもないのに、でも店の入り口からはそんな感じが伝わっていたんだと思います。

 今度は、家族と一緒にこの店へ食事しに行こうと思います。
 あの時より、もっと楽しくなることでしょう。
 
 笑顔がおかずだから。