菜心

広島市南区段原2-14-8 TEL:082-263-1615 11:30-15:00 17:00-22:00 日休 P有
  ラーメン550円、チャーシュウ麺650円、麻婆豆腐麺650円、坦々麺650円、
  野菜ラーメン(肉・ザーサイ入)650円、塩ラーメン(高菜入・昼限定)600円、
  味噌ラーメン650円、鶏味噌丼300円、餃子350円、唐揚げ500円、
  むすび(2個・昼のみ)150円

 比治山トンネルの東側にある段原中央交差点近くの店だ。暖簾には大きく中華
 そばと書いてあるが、メインのラーメンは尾道ラーメン。店内に「スープには
 瀬戸内海の小魚を使い、化学調味料を使わず、麺は無添加のものを尾道から取
 り寄せている」旨の掲示があった。
 
 メニューには、ラーメンを筆頭に、昼限定の塩ラーメン(高菜入)、坦々麺、麻婆
 豆腐麺などがあり、ちょっと引いてしまう。しかし、基本のラーメンはシンプル
 に旨かった。スープにはスタンダードな尾道ラーメンと比べても少し多いくらい
 の脂が浮かぶ。柔らかくて味が軽かったので、背脂ではないのか?と思ったりも
 した。その脂から溶け出したと思われる油が表面を覆い、蓋の役割をして冷めに
 くい。スープそのものは、やや濃い目の琥珀色で、醤油が割と効いていそうなの
 に、意外と塩が立たない。
 
 ベースは鶏ガラで、豚骨は使っていても少量だと思う。そこへトビウオの煮干の
 ような、ちょっと甘い風味を感じたが、トビウオは瀬戸内海にはほとんどいない
 ので、他の魚なのだろう。この味で他に思い付くのは、クロハギかデベラ辺りか?
 どちらにしても、この魚由来と思われる甘い風味と、元ダレの醤油がお互いを抑
 え込み、甘くも塩辛くもないバランスが実現されている。このバランスの良さが
 秀逸だと思う。さらに、油の風味もプラスに働いていると思った。
 
 コクは比較的軽めで、そのためにスイスイ飲めてしまうが、塩分が少ない訳では
 なく、普通のラーメン並みなので注意のこと。どちらにしても、このスープの取
 り方は、中国料理を勉強した人の技法ではないかと感じた。そういう意味では尾
 道市の「一龍」や、広島市東区の「翠香」とニュアンスが似ている。
 
 麺は平麺のストレート。麺の味はかん水臭さがなく、シンプルに旨い。最初はち
 ゃんとコシがあるけれど、早く食べなければコシが抜けてしまう。これは、はせ
 べ製麺の麺にとても近いと感じた。スタンダードの麺に比べ、少しだけ色が濃い
 ので、特注なのかもしれない。
 
 具は、チャーシュウ、青ネギ、メンマ。尾道ラーメンのスタンダードだ。チャー
 シュウの旨い店が極めて少ない尾道ラーメンだが、この店は3枚も入っている上に、
 なかなか旨かった。デフォルトで脂を浮かせるため、バラ肉のとろとろ系はバラ
 ンスが壊れるから、赤身の部分、この店では背ロースを使っているようだ。表面
 に味が染みており、妙な臭いがほとんどない。肉の旨味がしっかり感じられたの
 は嬉しかった。
 
 メンマはさっぱりして、ほとんど味付けがされていないようなタイプ。パリッと
 歯触りが良かったのが嬉しかった。
 青ネギはほとんど唯一の野菜なので、量はたっぷりだ。トータルバランスの良い
 ラーメンで、濁らないタイプのスープが好きな人には、強くお勧めできる。
 
 僕はこの日やたらと空腹で、ラーメンだけでは足りなかったので、鶏味噌丼もお
 願いした。これは味噌で炒めた鶏肉がのった丼で、丁寧に切られた白髪ネギが盛
 られている。甜麺醤がベースだが、甘さと渋さと唐辛子の辛さがバランスして、
 実に巧い味付けだった。
 
 調理的には完全に中国料理がベース。しかも街の食堂のような店ではなく、それ
 なりに四川料理を学んだ人だと感じた。これなら、麻婆豆腐麺や坦々麺も試して
 みたいと思った。ただし、丼に付いてきた甘い既製品の沢庵はイマイチなので、
 改善を求めたいな。他が旨いため、余計に目立ってしまったのだ。調理をするの
 が店主らしき男性で、フロアは女性スタッフが担当している。店内も明るく清潔
 だが、スタッフの笑顔も明るく、挨拶に元気がある。帰る客には店主も店の奥か
 ら挨拶されていて好感を持った。
 
 これはまだまだ伸びる余地があると思う。広島市に尾道ラーメンの店はいくつか
 あるが、最も今後に期待できる店だと感じた。現在は星3つに近い星2つ。
 もう一度食べに来れば、星3つに変更する可能性が極めて高いと感じた。(03.10)