迷ってみましょう広島31

   このコーナーは、積極的に道に迷うコーナーです。

  寒くなってくるとなかなか家から出にくいものですが、天気のよい日なんか
 には是非外へ出かけてもらいたいものです。思いがけない場所で予想外の発見
 があったりするものです。

  夏ぐらいから、備北の方へ行きたいなぁと思っていたんです。前に庄原へ行
 きましたが、そこからさらに北東へ進むと西城、東城という町があるのを知っ
 ておられるでしょうか。その二つの町のうち、今回は西城の方へ行くことにし
 ました。早速、列車で行こうと時刻表をめくってみますと、なんと広島を朝早
 く出かけても現地に着くのは昼過ぎ!うわ〜、これはいかんですわ。行ったら
 すぐ帰らなきゃならんですよ。ということで今回は車で行くことにしました。
 車で行くと駐車場の無い場所へ行きにくいんですけど、今回は仕方ありません
 ね。

  当日の朝、目が覚めると冷たい雨が降ってまして、こりゃどうするかなと思
 いましたが、車じゃし、大丈夫じゃろうと出かけました。高速道路は空いてい
 て快調です。はっはっは、こりゃ余裕じゃい、昼過ぎには家に帰ってるんじゃ
 ないの?なーんて思ってました。ところが、庄原インターで高速道路を降りる
 つもりが間違えてその先の東城インターまで行ってしまい、おまけに地図を家
 に置き忘れてきたことに気づき、こいつは参ったなぁと思いましたが、まぁ西
 城は隣町なんじゃし、何とかなるじゃろうと覚悟を決めて車を走らせました。
  そうしたら、なんかドンドン道が狭くなっていくんですよ。しかもどう見て
 も上り坂。西城方面行くのに何で上り坂……と思っていたら今度は下り坂。お
 ーい頼むよ〜、まさかもう県境超えちゃったんじゃないだろうなぁ、雨も降っ
 てるし、と不安になっておった時、道の脇に、なにやら見覚えのある小さな赤
 い看板が。あぁっ、あの看板は、去年の夏に知り合いみんなで行った「みどり
 茶屋」の看板じゃないか!いや〜もう一回来たいと思ってたんだよな。ちょう
 どおなかも空いてるし、よーし行ってみよう!

  看板のあるところから細い道に入り、ずっと谷を遡っていきますと、あった
 あったありました、農家が。あの一見何の変哲もない農家こそが「みどり茶屋」
 なんですよ。お家の前まで行きますと、おばあちゃんが出てこられました。
 「あの〜、食べたいんですけど」「団子汁定食なら出来ますけど」「あ、それ
 です食べたいの。」
  前に来た時も、その団子汁を食べさせてもらったのです。この団子汁、香茸
 の塩漬けと味噌だけで味が付いているお汁なのですが、これが実においしいの
 です。どう表現したらいいかよく分からないのですが、とにかくそんなシンプ
 ルな具材だけで出来ているとは思えないほど複雑で、すっきりしていて、旨味
 にあふれたお汁なのです。このお汁に平べったいお団子がいくつか入って、ど
 んぶり椀で出てきます。これにご飯、漬け物、小鉢が3つほどついて1050
 円。お米から小鉢の材料の野菜から、すべて自家製というすごい定食です。

  僕がお店に着いてから作り始められたので、料理が出てくるまで少し掛かり
 ましたが、出てきた料理の旨いこと旨いこと。団子汁はもちろんのこと、漬け
 物の酸味、ゴボウの甘さ、山蕗と山椒の香りが、舌の上だけじゃなく口からの
 どの奥で直接感じられるような、実に軽い、さわやかな味の料理ばかりでした。
 うまい、実に旨いですよばあちゃん。

  さて、大変満足して外に出ますと、まだ雨が降っておりました。見送りに出
 てきてくださったおばあちゃんにお礼を言って、元来た太い道へ車を戻します。
 いやぁ、車で来て、しかも迷ってよかったなぁと思いながら西城市街を目指し
 ます。外は相変わらず冷たい雨。これは今日は町中の散策は止めた方がええか
 なぁ。こんな雨の中ぶらぶら歩いてたら絶対風邪ひいちゃうよ。
  道路脇の気温表示が4度になってます。これはいかんわ。車で来たんじゃし、
 車で回れるところを回ることにしようかな。ま、とりあえず民俗資料館だけで
 も行ってですね、そこでまた考えましょう。えーと、資料館はですね、事前に
 ちょっと調べたところによりますと確かこの辺、あ、あったあった、なんか年
 季の入った味のある建物ですね。車を止めまして、と。

 この先、ちょっと長くなりそうなんで、今回はここまでです。
 この資料館でね、大変興味深いことがあったんですよ。ホンと、びっくりです。
 その後、熊野神社にも行ったんですよ。ご存じですかねぇ。熊野神社。

ということで、次号に続く。
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