広島市中区堀川町2-12 TEL:082-246-8006 18:00-2:00

  さがり200円、しそ巻き250円、豚バラ200円、豚ねぎ間200円、
  特選豚ロース250円、トントロ200円、和牛ハラミ250円、
  柔らかホルモン200円、せせり150円、白肝200円、ささみさび焼き200円、
  特選漬物盛り合わせ450円、キャベツ盛り200円、スープ茶漬け500円、
  おまかせ5本1,000円

 ルッソクラブの左斜め前くらいの半地下にある店だ。久々にこの辺りで夕食
 にしようと歩いていたら、ハートランドを出していると看板が出ていた。
 ほぉ、と思い店を覗くと、串焼きの店っぽい。そういえば掲示板で情報提供が
 あった「狄」出身者の店ではないか?と思い出した。

 「狄」出身なら大きく外すことはあるまいと思い、ドアを開ける。席に着くと、
 目の前にハートランドのビールサーバーがあった。ハートランドを置いている
 ことだけでも珍しいのに、生ハートランドとは恐れ入る。

 さらにベルギーのシメイも置いてあるし、店主はよほどビール好きのようだ。
 まずは何はなくともハートランドを頼み、さて、何を頼もうかな?と
 メニューブックをめくっていると「おまかせ5本で1,000円のセットもありますよ」
 と言われた。修業元はデフォルトが2本なので、この店もそのスタイルを踏襲し
 ているのかな?と思ったが、どうやら1串ずつ頼むことができるようだ。

 とりあえずその5本セットを頼み、付き出し代わりの山盛キャベツを食べ始めた。
 このキャベツは修業元と同じだな。焼かれた串もこのキャベツの上に置かれる。
 味付けは自家製らしき醤油ダレだが、こんなに塩っぱかったかな?と僕は思った。
 僕のイメージはポン酢っぽいものなので、もしかしたら味を変えているのかもしれ
 ない。ちなみに、このキャベツに生ニンニクのすりおろしを加えてもらうこともで
 きるが、僕は次の日が仕事だったので諦めた。生ニンニクは思ったよりもずっと残
 るのだ。
 
 キャベツをアテにビールを飲んでいると、最初の2串が供された。
 豚サガリと和牛だ。おや?と思ったのは修業元よりも肉の量が少なめではないか?
 ということ。とはいえ、その分、価格も抑えてあるようだ。串への刺し方は「狄」
 出身者らしくしっかりしている。最近、串の肉が垂れ下がったような刺し方をする
 店が増えているが、ここはきっちりと肉が刺さり、比較的しっかり目に焼くのが
 特徴。というか、古い仕事をする店はどこもそうだよね。

 鶏ササミはともかく、最近の店は焼かないことが良いことだと思っていないか?と
 感じる。生焼けのジューシーさと、しっかり焼いた上でのジューシーさというのは
 別物と思う。僕はきちんと熱を通したジューシーさを支持したいな。
 さて、豚サガリと和牛だが、値段なりには十分旨かったが、逆に「狄」がもう少し
 大きな串で出している理由も判った気がした。肉のボリュームが少ないと、内包す
 る肉汁の量も減少するのだ。とはいえ、1串の値段が高いのも考え物だし、なかなか
 難しい。豚サガリも和牛も、表面がさっくり香ばしく、肉汁が乾くことなく、
 しかし、生焼けでもなく、上手に焼かれていた。
 
 続いてセセリとシソ巻き。セセリには山椒が合うと言われたので試したが、なるほ
 どセセリ独特の匂いがマスキングされ、これはこれで悪くない。ただ、もう少し合
 う香辛料がありそうだとも感じた。シソ巻きは中に大葉を巻き込んだ豚バラ肉かな?
 咀嚼しているとほんのり大葉の香りが感じられる。これは王道っぽい旨さだな。
 最後の5本目はネギマ。とはいえ、鶏のネギマではなく、豚肉のネギマというのが
 この店らしい。肉はバラ肉ではなく、ロースの部分なのが良かった。
 最近はバラ肉を使う店が多いけれど、あの油脂の強さは僕くらいの年齢になると
 ツライものがあるのだ。
 
 続いて限定品らしき、柔らかホルモンと自家製のつくねを追加。ホルモンは塩と
 タレが選べると言われたが、お勧めは塩とのことなので塩でお願いした。すると、
 大腸の部分を丁寧に串へ刺し、カリッとするくらいに焼いた1本が出てきた。
 食べると腸壁へしっかり熱が入り、サクサクと噛み切れ、焼肉とはまた異なる旨さ
 が感じられた。

 へぇ、串に刺して炭で上手に焼くとこうなるんだと思うほど。しかし、柔らかと
 いう枕詞はよく判らないなと思っていると、それを見透かしたように店主が
 「いつもは小腸ですが、最近、上質なものが入らず、大腸なら良いものが入るので、
 大腸を使っています」と言われた。なるほど。つくねはさっぱりして旨かったが、
 もう一つ惹きがほしい。
 最近は個性的なつくねを出す店が多いので、それらに比べると、もう一工夫ほしい
 なと思った。
 
 そろそろ出ようかな?と思ったが、特選豚肉串というのがあったので訊いてみると、
 ゴールデンポークを使っているとのこと。サイボクのスーパーゴールデンポークか
 な?それとも単にゴールデンポークと言えば別の銘柄を指すのかな?と思ったが、
 お勧めと言われたのでとりあえず食べてみた。しかし、豚の良さというか、特徴を
 はっきり感じさせるためには、少し肉が薄いかな。最後辺りに刺さっていた脂身の
 部分は、口の中でさらりと溶け、しつこくない甘味があって旨いと感じたが、赤身
 の旨さはちょっと判りにくかった。
 
 キャベツは切れてくればいくらでも追加してくれるらしく、僕は2度追加してもら
 った。焼鳥店や串焼き店では、肉ばかり食べることとなり、栄養バランスが崩れる
 ことが多いのでこれは嬉しい。ただし、味付けは結構濃い目だね。話をすると店主
 はやはりビール好きらしく、ハートランドにも思い入れがあって導入したものらし
 い。ヒューガルテンも出したいんですけどねぇ、とのこと。確かに僕も好きな銘柄
 だけど、そんなマイナーなビールばかり揃えるというのもどうかと思う。僕個人は
 嬉しいよ。むしろ、もっとやれと思う。しかし、ビールに関しては保守的な人が多
 いんだよね。
 
 サービスは店主の他に男性が1人。二人とも腰が低くてお喋り好きで、しかし、
 人の話をきちんと聞くタイプで、初めて訪れた僕でもスッと馴染むことができた。
 料金や提供方法などを全て無視し、串の旨さだけを比較すれば、修業元である「狄」
 のほうが旨いと思う。しかし、利用し易い提供方法と料金、ビールの工夫などを
 考慮すれば、僕はこちらの店へ足が向かってしまうな。とはいえ、元アルパーク店
 の店長だった、この店の店主が「言ってもらえば1串でも焼くんですよ」とのこと
 なので、今度、試してみたいと思う。広島の串焼きというか、焼鳥店は「天神」
 「鳥酢」の出身者が勢力を伸ばしているけれど、その対立軸として「狄」の出身者
 が増えると面白いのでは?と思う。この店にも色んな意味で頑張ってもらいたいな
 と思う。 (06.12)