道楽

 広島県福山市南蔵王町5-12-30 TEL:084-945-4995 11:00-0:00 水休 P有

  ラーメン450円、くんたま+100円、チャーシュウ150円、ネギ+100円、
  かえ玉+150円、餃子150円、チャーシュウ飯200円、どてやき50円

 神戸で修業を積んだという若い人が始めた店だ。一見して醤油の色が強く、黒
 に近い褐色。表面にうっすらと油が膜を張っている。油がただの油ではなく、
 スパイシーな香りが立ち上がってくる香味付けされた油で、醤油の香りと相ま
 って食欲をそそる。尾道ラーメンのように目に見える形で背脂は浮いていない
 が、細かな背脂は少し浮いていた。スープを飲んでみると、元ダレも塩分も強
 いのだが、スープもそれに負けていない実にしっかりした旨みを持つスープだ
 った。これで化学調味料を使っていないというのだから恐れ入る。ベースは白
 濁させていない豚骨のようだが、それだけじゃないと思う。鶏ガラもいくらか
 使われているようだし、魚系(ムロ節?鯖節?) の味も感じられた。しっかりと
 したゼラチンのコクを、醤油の香りと油の香りで断ち切るコントラストのある
 旨さだった。

 麺は細麺ストレートだが、シャキシャキした触感で、時間が経ってもハリを失
 わない。スープとの相性も良く、この手の麺にありがちなかん水臭い風味もな
 い。佇まいと香りは古いタイプのラーメンを思い起こさせるが、中身は現代的
 な指向に合わせ、はっきりした旨みを持つラーメンだ。具はチャーシュウ、ネ
 ギ、キクラゲ。チャーシュウはどこの部分を使っているのか?トロトロだけど
 バラ肉のように赤身と脂身が層になっていなかった。もしかして首肉なのか?
 どちらにしても旨いチャーシュウだ。また、店主らしき人がチャーシュウを切
 り置きせず、一枚一枚丁寧に切っているのが見えた。緊張感を持った仕事ぶり
 だ。

 僕はトッピングに「くんたま」つまり燻製玉子があったので、それをトッピン
 グしてもらった。 自分自身が燻製を作るし「くんたま」を登録商標にしている
 (はずの)「竃(かまど・ 新宿)」でも食べたことがあるので、かなりハードル
 を高く置いて食べたのが、充分に旨い燻製玉子だった。使われているチップは
 桜のようだ。手抜きせずに燻製してあることが判る良い香り。白身が8割固ま
 っており、黄身はトロトロだった。もう少し固めのほうが旨いと思うけれど、
 その辺りは好みだろう。燻製玉子を加えると、ラーメン全体に桜の燻香がプラ
 スされ、さらに香りが複雑になる。ただのトッピングではなく、全体の印象を
 変えてしまうほどに強烈な個性を持つオプションだ。

 それだけの個性があるので、スープの味を純粋に楽しみたい人にはややマイナ
 スかもしれない。僕は正直なところ、ダシの味を利こうと思っても、燻香が邪
 魔してしまい、よく判らない部分があった。途中から加えて、変化を楽しむと
 いう方法ができれば、2度楽しいだろう。そうそう。ここは夜に酒も出すよう
 で、酒のアテ系が揃えてあり、わりと良い酒が置いてある。ちょっと摘んで、
 〆にラーメンという楽しみ方もできるようだ。ただし、豚まんはちょっとイマ
 イチだった。蒸篭で蒸すのは良いんだけど、横浜や神戸の中華街で普通に売っ
 ているようなカスカスの豚まんだった。これだけの品質を追及し、どうせ出す
 なら、豚まんも手作りしてほしいなぁ、と感じたのだ。サービスは悪くないけ
 れど、まだ手際が悪いと感じられる部分もあった。オープンして2ヶ月そこそ
 こなので、こなれてくるのはこれからだろう。現在のところ、星3つとしたが、
 細かく言えば星3.5くらい。かなり星4つに近い旨さと、味的ユニークさを持つ
 店だと思う。店主には、今後も気を抜かないよう、頑張りと発展を期待したい。
                                (02.01)