陶芸家になりきる

  文:おおもりぐが

 まだ学生のころ親に連れて行かれた美術館で初めて北大路魯山人の作品を見て
 感銘を受けたのを覚えている。
 見たことも無い無骨な形や独特な色合いに時間を忘れて見入っていた。
 素人の恐ろしさで「あんなの自分でも作れるのじゃないかな」と今思えば馬鹿
 なことを考えていた。

 それから陶芸に興味を持ちながら始めるきっかけが無く数十年経ってしまい、
 2年前やっと知人から先生を紹介され陶芸を始めるきっかけができた。

 私が抱いていた陶芸家のイメージは「白髪交じりの長髪」「ヒゲもじゃ」
 「着物を着て」「神経質で笑わない」と勝手に思っていた。
 (近年そんな陶芸家はいないそうです)

 私が紹介された先生は「うら若き笑顔の可愛らしい小柄な女性」で自分の抱い
 ていたイメージと違いすぎるので驚いた。

 ☆先生
   住岡 亮子(すみおかりょうこ)

 たくさんある陶芸教室とは違って定期的に教えてもらってるわけではないし、
 手取り足取り教えてもらうわけでもない、月1回程度気が向いたとき私の好き
 なように作らせてもらっている。

 場所は広島市内から約1時間とチョット遠い向原で、途中パラセイリングで有名
 な所もあり天気が良ければ道路の上空をフワリフワリと飛んでるので見とれて前
 の車に衝突しそうになるので注意が必要です。

 工房の場所は説明できないので興味がある方は直接先生にメールで聞いて下さい。
 頻繁に行ければ上達も早いのだろうが気が向いたときにしか通わないので、
 初めて2年経つのに全く上達していない。
 最初は先生に手本を見せてもらって作っていたのだが、元来人に教わるのが嫌い
 な性格が災いしていつも自分勝手に作っている。

 先生もあまり拘りが無いようで、轆轤(ろくろ)を右回り・左回りどちらでも
 OKであったり、乾燥をドライヤーでやったり自由な感覚で楽である。

 私の場合、陶芸というより小学校時代にやった粘土細工と言った方が分かり
 やすい雰囲気。
 轆轤(ろくろ)できれいな円形に作るより少し変形してる方が愛着が沸いて好き
 なので轆轤はほとんど使わないのだが、あまり変な形に作ると洗う時と収納に困
 ることがあるのでそれも気をつけるようになった。

 この2年間で茶碗・皿・マグカップ等々の作品が徐々に増えて気がついたら普段
 使っている食器は全て自分の作品となっている。

 今年の初め久しぶりに北大路魯山人の作品を見る機会があった。
 天満屋広島店で展示即売会(値段を見て感動した)と福屋で展示会があり両方見た。
 やっぱり「自分でも作れるのじゃないかな」って思ってしまい更なる創作意欲が
 湧いてきた。
 1回約2時間ほど土と格闘して快い疲労感、焼きあがった自分の作品との対面、
 そして自分で使いこなすことで湧く愛着心を皆さんも味わってみませんか。