饕餮庵

広島県呉市広本町3-22-29 TEL:0823-74-2015
            11:30-15:00 17:00-21:00  火水休  P有
 せいろ700円、辛味大根せいろ700円、鴨南せいろ蕎麦900円、田舎蕎麦は+50円、
 生粉蕎麦+100円、大盛+250円、ざるうどん450円

 店名は「とうてつあん」と読む。「とうてつ」とは、昔の中国で創造された何
 でも食べてしまう怪物の名前で、古代の青銅器をよく見ると度々登場していた
 りする(小野不由美の「十二国記シリーズ」にも少しだけ登場する。どうでも
 いいことだけど。)。
 すごい蕎麦を食べさせる店だが、店構えは食堂のよう。というか食堂にしか見
 えない。そもそも蕎麦とは庶民の食べ物だから、そういう意味では正しいの、
 かも。蕎麦には3種あり「二八(小麦粉2割、蕎麦8割」「田舎(挽きぐるみ、
 粗挽き、小麦粉)」「生粉(蕎麦10割)」。「二八」も旨いが、僕が進める
 のは「田舎」と「生粉」。「田舎」は熱い蕎麦で食べても旨いし、せいろも旨
 い。特に「田舎」をせいろで食べるなら、ツユをつけないで食べてみてほしい。
 これだけの甘味と旨味がある蕎麦はそう多くないぞ。かけで食べると印象は大
 きく変わる。ムッとした蕎麦の香りが立ちあがってきて、ネチネチ、ムニホニ
 した蕎麦になる。うーん、どちらも食べたい。「生粉」は冷たいのしかない。
 びっくりするくらい細打ちで「これ、ホントに生粉?」と尋ねたくなるほどだ。
 細いけれどぱしっとしてて、甘味と香りが良い。もう少し野趣があっても良い
 けれど、野趣は「田舎」に求めることが出来るので、これはこれで楽しい。わ
 さびなんかいらない。ツユ、ネギ、蕎麦だけで食べたいな。(ここのわさびは
 本わさびだから、酒の合いの手にすると無駄にならず、かつ旨い。)ツユには
 当然のように化学調味料を使っていない。やや甘めの風味ながら(昆布が使っ
 てあるようだ)、東京スタイルのかりっとした部分は失われておらず、良いバ
 ランスだ。また、ここはうどんも旨い。冷たいうどんだと極細打ち。熱いうど
 んだと細打ちになるが、極細打でもコシは強い。ガラス質のパキーンとしたコ
 シだ。旨いには旨いがややグルテンの強さが表に出過ぎのようにも思う。しか
 し、うどんだけでも星2〜3レベル。一体どこで勉強したのかと思い、さり気
 に尋ねてみたら「脱サラした後、8ヶ月くらい東京で勉強しました」とのこと。
 8ヶ月!たったの8ヶ月でこれほどの技術に達するのか?さらに尋ねると「い
 やいや。開店当初はひどかったですよ。『納得できる蕎麦が打てることがある』
 という状況になったのは最近です」とのこと。そうなのか。いやそれにしても
 すごい。僕は蕎麦がきも食べた。焼き味噌も食べた。どちらも出色の旨さだっ
 た。驚くべき店なのだが、店の真ん中でおでんが煮えており、ラップをかけた
 おむすびが置いてある。このアンバランスさというか、のほほんとした、あっ
 けらかんとした状況は店主の印象とよく似ている。もし趣味蕎麦店のような、
 蕎麦を通じて店主と対決するような店が好みであれば、あまりにも肩透かしを
 くらうだろう。ここではそんな心の武装を解除して、肩の力を抜いて虚心に蕎麦
 を手繰ってほしいと僕は思う。そんな僕がこの店に対してただひとつだけ大き
 な不満を持っている。なぜこの店は、広島市内中心部に出店してくださらなか
 ったのだろう?呉市民に傲慢だと言われるのを覚悟の上で、僕は心情を吐露し
 てしまうのである。
 なお、ここにはなかなかしっかりしたホームページ
 もある。(01.03)
 再訪。新蕎麦を堪能しに訪れた。店内はやや落ち着きを見せており、おでんや
 おむすびはなくなったようだ。また、高橋邦弘さんの色紙が飾ってあるので
 「関係があるんですか?」と尋ねると「いや。僕自身はお会いしたこともなくて、
 知人がもらってきてくださったんです」とのことだった。(01.10)
 公式サイトが新しくなったようだ。加えて2002年5月から更科と変わり切りも
 始めたとのこと。色々と試行錯誤するうちにさらなる進化を遂げるのだろうな。
 もう新蕎麦が始まったとのこと。まだ早生だろうが、やっと蕎麦の季節が来た
 という印受ける。久しぶりに行きたいなぁ。(02.10)

  • 広島の食はここで決まり!
    http://www.kaishoku.com/
                         私も行きたいなぁ〜 コースケ