香川飲食店

 比婆郡東城町大字川西419-4 TEL:08477-2-0137 ?-20:30 日祝休 P有

 おでん100円、めし大170円中140円小120円、ラーメン400円、肉うどん500円、
 きつねうどん370円、昆布うどん350円、玉子うどん350円、そば300円、うどん300円

 東城町の古い街並みの一角に残る、非常に古い店だ。歴史を訊くと「まだ50年
 そこそこですよ」と言われてしまった。
 古い宿場町である東城町には、もっと古い店が何軒もあるため、50年くらいで
 はまだまだ老舗とは言えないようだ。

 しかしながら、店の佇まいは趣があり、木造の建物に「かんとう煮」の看板が
 かかり、土間に椅子とテーブルが並べてある。
 そして、その一角には年季の入ったおでん鍋が据え付けられ、真っ黒な汁の中
 でさまざまなおでん種がふつふつと揺れている。
 店の奥には座敷もあるが、その一角には仏壇と遺影が飾られており、店舗の一
 部というよりも、人の家へ上がり込む感覚に近い。

 おでんはセルフサービスになっており、壁に作り付けの水屋から皿を取って盛り、
 何個食べたかを自己申告する。

 何を取っても一つ100円なので、計算は非常に簡単だ。

 ただし、おでんの種によっては、元の素材が何なのか判らないほど真っ黒に染
 まっており、明らかに煮込みすぎのものもあるので注意すること。
 僕は肉、大根、タケノコ、豆腐などが旨いと思った。肉は串に刺してあり、赤
 身がほろっとして臭みなどはなく、思ったよりもさっぱりした旨さだった。
 大根は芯まで染まっているが、ちゃんと大根の風味が残っているし、見ためほ
 どは塩辛くない。薬味は芥子も置いてあるが、僕はそれよりも自家製の唐辛子
 醤油が合うと感じた。卓上に置かれた壺に入っているのだが、それをおでんに
 添えて食べると、唐辛子のキレと醤油の香ばしさがプラスされ、芥子よりも旨
 かった。タケノコは一見して何が入っているのか判らないくらい濃い色に染ま
 っており、何よりも大きい。先の柔らかい部分を食べたが、タケノコの香りは
 かなり飛んでいた。それでも、独特の旨さはしっかり残っており、ちょっとユ
 ニークな旨さ。そう、種によっては相当ユニークな味になっているので、選択
 は慎重を期してほしい。常連らしきおじさんたちは、店に入るなりおでんをい
 くつか取り、ご飯と味噌汁を頼んでドカドカ食べていた。確かにこのおでんな
 らご飯のおかずにぴったりだろう。サービスは調理担当のご店主と、サービス
 担当の奥様の呼吸が合って手際がいい。特に奥様のにこやかな対応は、誰が訪
 れても不満に感じることはないだろう。店の隅には、湯に浸けられたままの小
 さな酒瓶が並び、テーブルの下の足がやけに温いな、と思って覗き込むと、
 足元に火鉢が置いてあった。とにかく、この情景だけでも訪れて、堪能する価
 値がある。東城という街の歴史を感じさせてくれるような店だった。 (03.03)

 再訪。今度はラーメンを食べてみた。以前訪れたときに気になっていたのだ。
 味のベースは鶏ガラになるのだろうか。それに既製品の鰹節風味調味料がプラ
 スされたような風味。表面にはほとんど油が浮いておらず、かなり明るい琥珀
 色のスープだった。ややもするとうどんのツユと間違えたのか?と思えるよう
 な味だ。そこへ、むっちりもちもちしたかん水の少ない、中太ストレート麺が
 合わせてある。麺そのものは旨いけれど、ちょっとスープとの相性が悪い。
 具はチャーシュウ、蒲鉾、ワカメ、青ネギ。チャーシュウは茹でただけのよう
 な豚肉だ。やはり、この店はおでんだな。他にうどんもあるが、麺類にはそれ
 ほど注力していないのかもしれない。その他は数ヶ月前に訪れたときと何も変
 わらない。連れがおでんを食べたが、一般的なおでんと違うところが多いのに
 驚いていた。僕は以前食べなかったけれど、白身が完全に染まりきったような
 茹で玉子を食べているのを見て「旨そうだな」と感じた。次回は再びおでんを
 食べたいと思う。 (03.06)