龍皇(りゅうこう)

http://hamanet.jp/kaishoku/detail.aspx?txtKshopcd=350

 広島県広島市南区松原町9-1(福屋広島駅前店11F) TEL:082-568-3750
  11:00-22:00/福屋駅前店に準じて休

 龍皇サービスランチ(-15.00)950円、龍皇弁当(-15.00)1,300円、
 三種前菜盛合せ1,730円、自家製チャーシュウ900円、フカヒレの姿煮込み1枚4,500円、
 フカヒレ澄ましスープ1,200円、フカヒレ餡かけご飯1,000円、
 アワビの牡蠣ソース煮込み1,730円、ナマコの五目煮込み1,500円、
 龍皇特選ステーキ1枚1,500円、スモークダック1,000円、カエルの唐揚げ1,000円、
 揚げ豆腐の五目煮込み950円、炒飯スープ添え500円、五目粥900円、
 フカヒレ汁そば1,100円、ネギそば800円、龍皇麺600円、
 お子様ランチ800円、ビール520円

 広島駅前福屋内にある店。料理人は、今はなき「広島グランドホテル」で活躍してい
 た人。一時期、白島辺りで営業しておられたが、こちらに移ってきたようだ。広島で
 1,2を競うと言われていただけあって、かなり洗練された旨さ。料理は広東料理が
 中心だ。僕はランチを食べただけなのだが、それでも実力の程は伺えた。食べたのは
 醤爆鶏粒+ご飯+卵スープ+サラダ+杏仁豆腐+漬物。スープは鶏のガラを使った、実に
 正統なスープ。もう少しでガラの臭いが出る、ぎりぎりまで炊いて味を出してある。
 塩加減は見事なまでに適切。醤爆鶏粒の調味といい、下拵えといい、熱の入れ具合と
 いい、文句を付けるところはない。ただし、やはりというかサラダは凡庸。まぁこれ
 はランチのみの愛嬌だろう。杏仁豆腐は、口の中ではかなくほどけ、悪くない触感な
 のだが、杏仁のコクと香りが薄い。残念だ。とてもクオリティが高いのだが、料理人
 のセンスというか、この料理人ならではの輝きがまだ判らない。ランチだから当然と
 いえるので、今度は夜にいろいろ堪能してみたい。(99.06)

 なんと2年ぶりの訪問になる。今度は夜に訪れてみた。食べたのは「醋辣白菜」「明
 爐叉焼」「乾焼明蝦」「什錦[火会]飯」。醋辣白菜は漬かり具合、生姜の風味、酸
 味の加減ともにとても良かった。これはオススメ。明爐叉焼はやや脂が多かった。本
 来の叉焼はもっと脂が落ちているものだと思うし、これほど脂が多い部分を使うなら
 ば、温めて提供するなりの工夫をしなければならないと思う。豚の脂の溶けていない
 ものはあまり良い触感であるとはいえない。冷えたラードは蝋のような触感と口溶け
 になってしまうのだ。香港などで食べられる、味の染みた表面がカリッとした叉焼と
 は大きく異なるものであった。乾焼明蝦は最もがっかりした料理である。海老は大正
 海老を使ってあるのだが、頭がついていないのだ。頭がないのであれば、わざわざ大
 正海老を使うメリットがない。触感からして、冷凍ものを使った可能性もあるが、そ
 うであるならば、価格設定が高すぎる。逆に生の大正海老を使うのであれば、2,100
 円は安すぎる。この辺りのバランス感覚って大切だと思う。今はデパートの一角で、
 下手したらファミレス感覚で利用する客を相手にしなければならないのは、以前の栄
 光からすれば屈辱的だと思う。しかし、それを選んだのは(たぶん)店主である。せっ
 かくの腕を眠らせることはないよう。どんどん魅力的な料理を作り続けてほしいと思
 う。なお、什錦[火会]飯は大きな欠点もなく、とても旨くいただいた。ただ、サー
 ビスがとても低下しているように感じた。客を歓待するという雰囲気はまったく感じ
 られず「バイトの時間が早く終わらないかなぁ」と考えているような接客。ホテルの
 ようにサービス料をとる訳ではないが、これはいただけない。料理とサービスのバラ
 ンスが悪いのだ。かつての栄光を取り戻したいと思っているのは、店だけではなく、
 客も同じである。なんとか持ち直してもらいたいと思った。(01.06)

 再訪。事前に調べると公式サイトもできていた。今回は宴会だったので、3,700円の
 コースをお願いした。ちなみに1,500円で飲み放題にすることもできるが、その中に
 紹興酒が含まれていないので留意のこと。真っ先に供されたのは定番の前菜三種盛合
 せ。チャーシュウ、鶏ハム、タケノコの鹵水漬けだ。日本ではチャーシュウと言えば
 ラーメンに入っているものだが、あれは煮豚がほとんど。叉焼(=チャーシュウ)とは
 その名のとおり、本来は焼いて作るものである。この店のチャーシュウは中国料理的
 に正しいチャーシュウだったが、残念ながらまだ冷たくて、少し脂身が入った部位
 だったので、そのままだと蝋のような脂が舌に障ってしまった。仕方がないので次に
 出たフカヒレスープに入れて温め、脂を溶かしてから食べるとなかなか旨かった。鶏
 ハムは芯にインゲン豆や人参を巻き込んだもので、こちらも定番。鶏肉は冷たくても
 問題なく旨かった。タケノコはちょっと癖のある味なので、あまり売れ行きが良くな
 かったけれど、僕は鹵水の味付けって嫌いじゃないのでパクパク食べた。それにして
 も、インゲン豆やタケノコって季節感がないなと思う。続いてフカヒレスープだった
 が、まぁこれはありきたり。個人的には春雨スープで充分と思うのだけど。味付けは
 濃いめで、とろみが付いていて、少し甘くて舌に重い。それよりも次のイカと小海老
 と白ネギの炒め物が旨かった。塩味でさっぱりと炒めてあるが、香味野菜が効いてい
 て、イカは花切りされて柔らかく、白ネギのシャキシャキ感が心地良かった。これが
 前半のベストかな。続いて「お店からのサービスです」と運ばれて来たのが鶏の唐揚
 げ。場末の中華食堂かよと思ったほど、コテコテの鶏唐だったが、上から黒酢のソー
 スがかけてあった。これにしっかりと浸して食べると、鶏唐の油臭さが軽減され、な
 かなか旨かった。それにしても、鶏の唐揚げって既に日本料理として作ったほうが旨
 いように感じた。中国料理の伝統的な作り方だと、どうしても油っぽさが気になるの
 だ。続いて牛肉と白菜と春雨の煮込み。端的に言えばすき焼きのような料理だ。広東
 料理の甘い醤油色の餡で煮てあり、少しとろみがつけてある。このままご飯に載せて
 食べたら絶対に旨いだろうなと思うような味。子どもが特に喜ぶだろうと感じた。旨
 いけれど、正直、酒を飲みながら食べる料理ではない。続いて肉団子の甘酢炒め。肉
 団子がプリプリして、そこそこ旨かった。味は定番の甘酢味で、酢豚の肉の代わりに
 肉団子が入っている感じ。それにしても肉団子なんて十年振りくらいに食べたのでは
 ないか。〆は広東風に作った炸醤麺。北京では讃岐うどんでもこれほど強靭なのは少
 ないと思えるほど、コシの強い超太麺で食べるが、ここは広東料理の店だからか、非
 常に細いストレート麺。そんな麺の上に黒い餡がたっぷりかけてあるのだから、取り
 分けている間に麺は伸びた。細麺だから餡がやたらと絡むので、取り分けるだけで一
 苦労だった。味は見た目ほど濃くなくて、たっぷり入ったタマネギの甘味が効いてい
 る。麺の状態といい、餡の味付けといい、これって韓国のチャジャンミョンみたいだ
 なと感じた。しかし、ベースとなっているダシが旨いのと、ほんの少しだけど辛味が
 効いているためチャジャンミョンのようなのっぺりした味ではない。人数が多かった
 ので、通常の麺類は手順的に難しかったのだろうが、もう少し取り分けが容易な料理
 だと助かったんだけどな。そしてデザートは定番の杏仁豆腐。寒天で硬めに固めた古
 いスタイルだが、さっぱりして僕には好ましかった。もっと杏仁の風味が高いほうが
 好みだが、こういう店でブランマンジェのような杏仁豆腐を出されたら興醒めだ。
 サービスは少し不慣れな様子だったが、気になるほどではない。今回は宴会だったの
 で、コースの流れに起伏がなかったのが残念。どんな人がいるのか判らないから、料
 理人も癖のある料理や、好き嫌いが多い素材は使いにくい。だからどうしても宴会の
 料理は、敢えて凡庸にせざるを得ないのだが、それでも腕の良さは感じられた。自分
 でグランドメニューから注文すれば違うのかな?と思いつつ、過去のレビューを読み
 直すと、チャーシュウや杏仁豆腐に対して、全く同じ感想を書いていることに気付い
 た。しかし、少なくとも費用対効果は高かったので、駅前で宴会を行うことがあれ
 ば、ここは意外と穴場ではないかと思う。 (10.01)